１５話 ページ15
「じゃあ!!だからおっさんは、そのモンブラン家の汚名返上のために、
海底の黄金都市を探してるのか!!?」
話を聞いて、意気揚々と豪語するウソップの意見を聞いた途端、クリケットは血相を変えて、
ウソップにピストルを放った。
「大昔の先祖がどんな正直者だろうが、どんな偉大な探検家だろうが俺に関係あるか!!!!」
先祖のせいで人生を狂わされたので大っ嫌いだそうだ。中にはウソップが言った通り、
汚名返上のために海に出た人もいたが全員、亡くなったらしい。
クリケットはそんな一族を恥じた。そして家を飛び出し、海賊になったのだという。
「――しかし10年前……冒険の末、俺の船はなんとこの島に行き着いちまった」
クリケットは喧嘩を、売られたのだ。彼は「俺の人生を狂わせた男との、これは決闘なのさ」と
言う。ウソップは感銘を受けたのか涙を流す。
「……じゃあ、あいつらは？さるたちは何でここにいるんだ？」
「……そりゃ、また海底にかける男たちの拳で語る、熱いドラマがあったんだろうなア」
ルフィの問いにウソップは熱いドラマがと言ったのが…
「あいつらは絵本のファンだ」
「�凜侫．鵑�よ」
「熱くなかったですね」
その答えにツッコむウソップだった。
彼らは５・６年前、ノーランドの子孫がいるという噂を嗅ぎつけ、ここへやってきたのだという。
「ノーランドの黄金は絶対あると思うんだ」と言って。
毎日毎日、たった独りでこの海を潜り続けてきたクリケットには、まるで光のように見えた。
「ああいう一途なバカには、正直、救われるんだ…」
クリケットは嬉しそうだ。
「だから……!!俺は“空島”に行きてェんだよ、おっさん!!!」
ルフィにとっては、ノーランドがどうとか、サルがどうとかそんなことは関係ないのだろう。
ただひとつ、“空島”に行きたいだけなのだ。
こんなにも堂々と「行きたい!!」と叫ぶルフィに、クリケットはうっすらと笑った。
「……フフフ、せっかちな奴だ…。だから話してやったろ。“空島”の証言者は
その『うそつきノーランド』」
そう話しながら、クリケットは一冊の本のようなものを棚から取り出した。
ノーランドの日誌だとのこと。ナミは日誌を読み始めた。
「海円暦1120年６月21日、快晴。陽気な町、ヴィラを出航…。
“記録指針”に従い、港よりまっすぐ東北東へ進航中の筈である。
日中、出会った物売り船から珍しい品を手に入れた。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：AYA | 作成日時：2016年4月17日 11時
