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いつも通り、少し早めに楽屋に向かう。
“祓ったれ本舗様”と印刷された紙が貼られてある部屋を見つけて入ると、既に二人が来ていた。
『……え、私時間間違えた?』
「いや」
「合ってるよ」
そう短く答える二人はやっぱり本物の悟と傑で。
珍しい事もあるもんだ、とカバンを置きお茶を注ぎにポットの前に行く。
「俺する」
『…あ、うん。ありがと』
紙コップを取った瞬間、私の手からその紙コップをもぎ取った悟。
…………なんか、変。
どこがって言われたらわかんないけど。
いつもなら、「A〜!」とか言いながら抱きついてくるのに。
「ん」
『あ、はい』
ぶっきらぼうに紙コップを渡してくれる。
その仕草を見て、もう一つの違和感にも気づいた。
『すぐ「悟、ちょっとここの事なんだけど」…』
「なに?」
傑も何かがおかしい。
いつもなら、挨拶はちゃんとするし何か分からない事があっても私に聞きにくるはず。
…………なんでだ。
あ、もしかして超超遅れてきた反抗期とか?
「ここは悟がボケた後どうなるの?」
「そこは流れじゃねーの?」
二人の時は普通だ。
…………ま、そんな幼稚な反抗期とか私知らないから。
そこまで気がきく女でも無いし。
『そこはね、傑がわざとツッコまないの』
「「!」」
近づいて二人の前にしゃがむと、明らかに動揺する二人。
そんなに私が嫌かよ。
『…………聞いてる?』
「え、あ、うん。聞いてるよ」
「…ごめん俺聞いてなかった」
『聞けよ』
よそよそしく目線を逸らす悟。
不意に傑を見ると、こっちは勢いよく顔を背けられた。
…………ちょっとここまで来たら辛い。
『……反抗期くるのは普通だからさ、私は何にも言わないけど。仕事に支障きたすのはやめてよね。……ま、ちょっとは寂しいし』
「…………え?」
「反抗期…って、俺らが?」
無い無い無い!とでも言うように首と手をブンブン振る二人。
さっきまでのあれやこれやを説明すると、二人とも同じ事を話し始めた。
『……きも』
「だからごめんって言ってるじゃ〜ん〜…ねぇA〜」
『こっち来んな。変態。私に触ろうとすんな』
「…………こればっかりは弁解しようがないよ」
『弁解も何もねぇよ。ずっと正座してろ』
その日の帰りに抹茶のキットカットを箱でくれたので許した。
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ねんねこ - あらららら・・・お大事にどうぞ。更新楽しみにしています! (2021年12月18日 2時) (レス) @page14 id: 79b8c3f79f (このIDを非表示/違反報告)
五夏(プロフ) - きなこだいふくさん» きなこだいふくさんもスランプだったんですね……折角応援していてくれていたのに本当に申し訳ないです。リハビリ頑張って、早く戻ってきます! (2021年11月23日 22時) (レス) id: 7eded4a1fb (このIDを非表示/違反報告)
きなこだいふく - 私も一時期スランプに陥っていたので、五夏さんの気持ちよく分かります!全作品応援していたのでとても残念ですが、作者様の無理のないよう頑張ってほしいので......これからも更新待ってます!きっといつか、戻ってきてくれることを心待ちにしています! (2021年11月23日 18時) (レス) @page14 id: df29fd2470 (このIDを非表示/違反報告)
五夏(プロフ) - かけたまさん» すいません、質問なのですがそれはラジオででしょうか…?それとも今後書く予定のようつべの方がいいですか…?私はどちらでも大丈夫です! (2021年11月9日 22時) (レス) id: 7eded4a1fb (このIDを非表示/違反報告)
五夏(プロフ) - こんさん» 返信遅くなり申し訳ありません…そんな言葉を言っていただいて凄く嬉しいです、ありがとうございます!傑のギャップに乞うご期待! (2021年11月9日 22時) (レス) id: 7eded4a1fb (このIDを非表示/違反報告)
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