に ページ2
.
こんなにも似た顔の親子がばちばちと火花が見えるほどに睨む場面を見れる人がいるんだろうか。うん、きっと私だけだ。残念なことに恵の髪質は私に似て、何を使っても直らない癖っ毛になってしまった。甚爾くんに似ればあんなにサラサラな髪になれたのに……なんでなの恵……
なんて思考を働かせる時間なんてものはなく。
実の息子だというのに敵を見るような目で睨む甚爾くんが口を開いた。
「オイ恵。もっかい言ってみろ」
「母さんと、結婚する」
「母さんて誰だ。言ってみろ」
「??母さん」
そう言って一人しかいないだろとでも言うかのようにキョトンとしながら私を指差す恵。可愛いわねぇほんと…!!
でもそんな可愛さは甚爾くんには通用しなかったみたい。
「戯けにも程があんな恵。御愁傷様、それは無理だ」
「…、!むりじゃない」
「無理だな」
「むりじゃない!」
「無理だっつってんだろ」
「なんでっ!!」
恵が持っていたフォークをギュッと握り締めて甚爾くんに問い詰める。すると、甚爾くんはみるみる誇らしげな顔になってこう告げた。
「ガキは親とは結婚できねぇんだよ」
「………、!!!?!」
『あ、ちょっと甚爾くん。恵固まっちゃったじゃん』
「あ?知るか」
恵にとっては天と地がひっくり返るような事実だったんだろう。甚爾くんに似て長くて綺麗なまつ毛の生えた翡翠色の目をこれでもかと言うほどに開いて、それよりも大きく開いた口。その状態で恵は動かなくなってしまった。
恵の意識を戻すために名前を呼ぶも、一向に戻ってくる気配はない。
どうしようかと考えていた時、またもや甚爾くんが爆弾を投下してしまった。
「ま、俺は結婚してるけどな」
「……っっ、??!!?母さん゛゛ッッッ」
衝撃の事実の次は聞きたくなかったNo. 1なのか。恵が瞬く間に目に涙を溜めて、持っていたフォークを放り投げて私に抱きついてきた。
『え、うわ、ちょっ恵』
「おい、飯食ってる時はじっとして食え」
「やだ!!!母さんはおれの!!」
「何言ってんだこら」
『甚爾くんやめなさい!』
礼儀とかマナーがびっくりするほどにしっかりしてる甚爾くんだから、恵がご飯を放ったらかして私の元に来たのも駄目だったんだろうけど。多分キレてる原因はそれじゃない。
恵を無理やり私から引き剥がそうとする甚爾くんの手をピシッと叩いた。
.
1745人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なさん(プロフ) - すきすぎるぅぅぅ (2月11日 12時) (レス) id: 4b5ee6fd5a (このIDを非表示/違反報告)
もっちりパンダ(プロフ) - 更新ありがとうございます😊 楽しみに待ってます!頑張ってください。 (2月6日 6時) (レス) id: 55730a40a9 (このIDを非表示/違反報告)
お松 - めっっっっっちゃ面白いです!!更新頑張ってください! (11月26日 7時) (レス) @page4 id: f0ee455632 (このIDを非表示/違反報告)
わっぱみがき#虹色#上弦の弐 - ほんっっっとに変なこというかもしれないけどショタめぐみんほど心を抉ってくるショタはいない(勘違いです)異論は認める。ここまできたらめぐみんのマッマに転生したい() (11月4日 9時) (レス) @page5 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
やんこち - 需要ありまくりですっ!!めっちゃハマりました…続き待ってます! (10月29日 8時) (レス) @page7 id: 53e7ed5961 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ