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3-手 ページ5

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𝑌𝑜𝑢-𝑠𝑖𝑑𝑒









「A、早く行こう」


『ちょっと待って、今終わったとこだから』


「待てない、早く」









仕事が終わり、そういえば今日レストラン行くって言ってたなーとか思っていたら。


傑の腕が後ろから伸びてきた。


いや強いって。









「傑ー、Aが離れろクソだってー」


『ちょ、悟!』


「なんだと悟。

 Aがそんな事言うはずないだろう。

 もう一回言ってみろ」


「おーこわーい」







キャッキャと笑う悟は、悪戯好きな子どもみたい。


......私の同期には子どもしかいないのか。


いや、待て。


まだ硝子がいる!


いつも私のことほったらかしにするけど根はいいから。









「A、まだ?」


『あ、ちょっと待って。

 もう終わるから』









傑にほっぺをビヨーンと引っ張られて意識を取り戻す。


これ以上待たせたら後が怖いから急いで片付ける。


傑を怒らせたら色んな意味で終わるから。


怖くはないけど、......うん。


察してください.......









『よし、できたよ』


「じゃあ行こう」


「お達者で〜」









悟にお疲れ様を言い、2人で職員室を出る。


それから今日あった事を簡単に話していると、知らない間に校舎を出ていた。


その瞬間、右手が暖かくなる。









「A、手冷たいね。

 昔からだけど」


『冷え性なのかな』


「じゃあ私があっためてあげる」









そう言って、傑は普通に握っていた手を解き、指を絡ませて再び強く握った。







「あったかくなーれ」


『さっきのとあんま変わんなくない?』


「この方が肌が接してる部分多いでしょ」


『あーそっか』









そのまま車に乗るまでこの手は離れなかった。









(今日は洋食だよ)

((おー!楽しみ!))

(ワインもあるらしいけど、買って帰るのでもいいかい?)

((うん、大丈夫。家で飲みたい))

(了解)

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作者名:しゃけむすび | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年12月24日 5時

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