シンメトリー (ページ9)

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1－7 強くなろうよページ9

Aside

そうこうしているうちに、菊池が帰ろうとしていた。

『ちょ！おい待てよ！』

「もー！んだよ！忙しいんだけど？」

『私らも忙しーわ！』

忙しくなくね？という優香の呟きは無視することにした。

「あーもう！分かったから！今度タイマン受けてやっから！」

『言ったな！？マジでやんぞ！！』

「わーったよ！！うっせー！バカ！！」

捨て台詞を吐き散らかし、菊池も帰って行った。

『なんだよあいつ！！ぜってー負かす！！』

「菊池は普通に強いでしょ。」

『うっせー！私の方が強い。』

「でも所詮私ら、女だよ。」

冷たい風が吹いてきた。

「この世界は男のほうが強いんだ。力も権力も、何もかも。」

優香の目が、とても切なくて言葉を詰まらせる。

「いくら私たちが強くなろうとしても、叶わないんだよ。」

優香のやつ、あの男のこと思い出してんだろうな。

女は男に勝てない。

そんなこと、もう痛いくらいわかっている。

＿＿＿＿＿＿でも。

『だから、強くなるんだろ？』

驚いた顔で優香がこちらを見る。

『男に負けないように、二度と同じ目に合わないために、優香は強くなるって決めたじゃん。』

あの日の約束、私はちゃんと覚えてる。

『だから私は、大切な人を守るために強くなるよ。』

優香の顔に、笑みが零れる。

「負けられませんね。」

『私の相棒でしょ？これからも頑張ろうよ。』

「そうだね。頑張ろうよ。」

私たちは、拳を合わせた。

◇◆◇◆◇◆◇◆

Aちゃんと、優香ちゃんの過去のお話は、いずれ書きます！

これからもシンメトリーをよろしくお願いします！