1−3 弟の成長 ページ5
Fuma side
先生に呼ばれて入った教室。
うわ。汚っ!校舎が綺麗だったから舐めてたわ。
そりゃ不良クラスだもんな。
こんなもんか、と諦めるしかない。
『菊池風磨デス。』
よろしくする気もないから、それ以上は言わない。
そして無言で一番端の後ろに座り、スマホをいじっていると2人のヤバそうな奴らが入ってきた。
いやー、ハーレムは間に合ってます。
「菊池!私と勝負しろよ!」
『あー、ちょっと僕、そーゆーのは間に合ってマース。』
俺はそう返し、スマホを掴んで教室を出る。
ちょっと待て!なんて制止の声は聞こえましぇーん。
◇◆◇◆◇◆◇
『腹減ったァァ!』
初日から昼飯を忘れた俺。
どーしよう。
そう思っていると、スマホが鳴った。
一瞬、中島かな?なんて思ったけど、相手は珍しく勝利だった。
《もしもーし!勝利かー?》
〈あっ風磨くん?急にごめんね。〉
《なんかあったのか?》
〈あー…。〉
勝利が少し言葉を濁した。
え、まじでなんかあったのか?
〈今朝、健人くんが蔵蛇の人たちに絡まれてて……。〉
《中島が?》
〈そうそう。俺が見たときには、蔵蛇の人たちが殴りかかろうとしてて。〉
《殴られたの!?》
〈いや、俺が飛び蹴りしたから大丈夫だったよ!?〉
飛び蹴り……。
しかも、道場の息子の………。
ご愁傷さまです。
〈風磨くんが転校して、誠心2TOPが健人くんだけになったから、それをチャンスだと思ってるところが多いのかも。健人くん、普通に優等生だしさ。〉
………。
〈それに、誠心のときは風磨くんと健人くんずっと一緒だったから。〉
そりゃ、中島を一人にさせて変なことに巻き込ませたくないし。
しかも、アイツは難関大学の医学部を狙ってるから、内心に響かせたくはない。
でも、もう俺はアイツの隣には居られない。
《勝利、中島を任せた。頼む。》
〈もちろんそのつもりだよ。〉
出逢った頃は、こいつもまだまだ幼かったのに、頼もしくなりやがって。
《さんきゅ。》
〈じゃあ、話はそれだけだから。一応伝えといた方がいいかなって思って。〉
《おー、わざわざありがとな。》
〈いえいえ。じゃあ風磨くんも気をつけてね。ばいばい。〉
返事をする間もなく切れた電話。
勝利は風紀委員だから、忙しいはずなのに、わざわざ電話をしてくれたんだろう。
良い奴だよ、ほんと。
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りろ - めちゃめちゃこういうの好きなんです!もし時間があったら続きをお願いします! (2023年1月28日 0時) (レス) id: 86d36c49a2 (このIDを非表示/違反報告)
もな - 更新待ってます! (2021年8月7日 1時) (レス) id: 86d36c49a2 (このIDを非表示/違反報告)
yukine(プロフ) - 更新頑張って下さい! (2020年7月19日 12時) (レス) id: ab5d36ad85 (このIDを非表示/違反報告)
沙耶佳(プロフ) - これからも楽しみにしてます。 (2020年2月10日 20時) (レス) id: 77dbf9668b (このIDを非表示/違反報告)
M - 最新待ってます (2020年2月7日 19時) (レス) id: 8e4485d92c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩綾 | 作成日時:2020年1月20日 20時