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＿＿5月6日 午前
いよいよ迎えた練習試合の日。
今回の遠征で音駒高校が拠点にしている烏野総合運動公園の球技場へ向かうと、すでに出入り口で並んでいるジャージ集団を見つけ大地さんの集合がかかる。
「あっ！」
「ん？日向知り合い？」
初対面同士だと思っていた場に似つかわしくない声が響き、声の主である日向はパッと口を塞ぎ、音駒側のプリン頭の彼は目線を落とす。
互いに挨拶を交わした後「研磨！」とさっき日向に呼ばれてた彼が振り向き、入り口手前で何やら話してる様子。
恐るべし、日向のコミュ力…
「A、私たちも準備始めよっか」
「はい！」
潔子さんと一緒に歩き始めると何処かから視線を感じキョロっと見回せば、溢れる波長が龍に近いものを感じるモヒカン頭の彼と目が合う。
(今日1日、音駒のマネを勤めるんだ…)
第一印象が大事！と少し微笑んでからペコッと会釈すると「覚えてろよォォォ」と体育館の中へ消えて行った。
「潔子さん…早くも私やらかしちゃったかも…」
「まだ始まってないのに？」
「始まってないのに逃げられました」
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「今日1日世話んなる烏野のマネージャーさんだ」
「はじめまして、滝 Aです。よろしくお願いします！必要なこと、あとテーピングが得意なので何でも言って下さい」
「「しアース！！」」
猫又先生に促されるように挨拶を済ませ、幸先よく和やかなムードで溶け込む。
「ゔぅっ…ついにうちにもマネージャーが…！しかもこんな可愛い子…！」
「まぁ、今日1日楽しむんだな」
さっき逃げられたモヒカン頭の彼が今度はこっちを見ながら歓喜と思われる涙を流し、それを黒髪で独特なトサカ頭をしている…キャプテンの黒尾さんがなだめる。
烏野では味わえない『女子』としての扱いが新鮮でもあり、ちょっとむず痒い。
「女っ……マネッ……美っ……！！」
前言撤回。
やっぱりちょっと面倒くさいかもしれない…
「じゃあ、そろそろ行くぞ」
黒尾さんの言葉を合図に円陣が組まれると、背中から伝わってくる雰囲気はさっきまでのものとは全く異質で
「＿＿俺たちは血液だ。滞りなく流れろ、酸素を回せ。『脳』が正常に働くために」
呪文のようなその掛け声は彼らの雰囲気をより倍増させ、コートへと出陣して行く背中を見送った。
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『練習試合、スタート！』
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烏野side.
「行くぞ！」
「ぅオス！！！」
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作者名：華うさ | 作成日時：2024年3月2日 15時
