02. あの人と：影山飛雄 ページ2
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「まさか高校でも一緒になるとはね〜」
「俺もビックリしました」
新学年に上がった春。
高校に入学して初めて出来る後輩たちとの対面に足取りも軽く体育館に着いた瞬間、いきなり目の前でずっと噂されていた教頭先生のヅラがぶっ飛び、そのヅラが大地さんの頭にオンするという地獄絵図が広がり
青ざめる先輩たちの後ろから北川第一で一緒だった後輩、飛雄が姿を現した光景は今でも鮮明にくっきりと覚えている。
「まぁ、色々あったけど飛雄も日向も無事に入部出来て良かったよね」
「ッス」
部活終了後、ボールを磨く私の隣で入念に指先のケアをしている飛雄。
恐らくこの後は『バレー日誌』を書くのだろう。
バレーへの情熱、セッターとしてのセンスや才能、その才能に胡座をかかない努力の継続…
本当にスゴい後輩だな〜と尊敬しつつ、その情熱や熱意ゆえに『コート上の王様』と呼ばれていた過去にたどり着き苦笑い。
「なに笑ってんスか？」
「ちょっと思い出し笑い…ってところでさ、前に青葉城西に練習試合行ったでしょ？金田一や国見たちと喋った？」
どうしても抜けられない委員会があったため同行出来なかった練習試合。
ド緊張しまくった日向がバスの中で粗相したり、飛雄の後頭部にサーブをぶち込んだりと、ある意味なかなか見物だったらしい。
北川第一の出身が多い青葉城西。
懐かしい再会を楽しみにしていたのもあり、本当に惜しいタイミングだった。
「金田一と最後にちょっと話したぐらいッスかね」
「そかそか。てかさ、みんなビックリしてたでしょ？生まれ変わった飛雄に！」
「…？俺はずっと俺のままですけど」
「うん、ゴメンね」
本人は気付いてないかもしれないけど、昔のチームメイト、ましてや揉めた仲だったなら今と昔の飛雄の違いに絶対気付いてるはず。
＿＿もう自己チューで独裁的な王様ではないということに
「次は公式戦かな？」
「当たっても俺達が勝ちます」
「モチ！あたぼーよっ！」
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『先輩後輩、セカンドシーズン』
▲
「あ、この前美味しいカレー屋さん見付けたんだけど今度一緒に行く？」
「ウッス！」
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作者名：華うさ | 作成日時：2024年3月2日 15時
