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10章:勧誘 ページ10




テストも無事に終わったある日のこと−…



蔵沢「臨時マネージャー?」

倉持「おう」

御幸「どうせ夏休み暇だろ?」

蔵沢「それが人にお願いする態度ですか〜?」

御幸「はっはっは、ごめリンコ♡」

蔵沢「ほんといい性格してるよね…御幸って」

倉持「だから最初に言ったじゃねーか、性格悪りーって」

御幸「こらこら、今は俺をディスる時間じゃねーだろ?しっかりお願いしろよ倉持」

倉持「テメェもだよ!!」



逸れに逸れまくった話題を戻し、臨時マネージャーを募集することになった経緯を説明する。



倉持「夏休みって朝から夕方まで練習してんだけど、今でもマネージャー結構大変らしくてよ」

御幸「外にいる時間も俺らとそんな変わんねェから、仕事に加えて体力もいるしな」

倉持「そこで夏休みだけ臨時で手伝ってもらえる奴がいねェかって話になって…」

御幸「先輩に探してもらう訳にもいかねェから、俺らで探しますって話になって…」



御幸 / 倉持「「蔵沢、お前出来んだろ?」」



蔵沢「…もう決まってるの?てか最後雑じゃない?」

倉持「ヒャハハ!お前に拒否権ねェから」

御幸「俺らに蔵沢意外で誘える女子もいねェし、話自体はマジだからさ、考えてくれたら助かんだけど」



「まだ時間あるしな」と付け加えるも、どっちに転ぶかすげェ早く聞きたい訳で…

了承してもらえたら、野球部自体が助かるってのはもちろんのこと、何より俺にとって最高なのは…



夏休みも毎日無条件で蔵沢に会えること…!!



御幸(そうなったらいつもより頑張れる気すんだけどな〜)



そんな下心も隠れたお願いに、普通のトーンで返ってきた「いいよ」という返事に一瞬心臓が止まる。



御幸「…えっ?」

蔵沢「だから臨時マネいいよって」

御幸「マジで?」

蔵沢「だって困ってるんでしょ?」



「それにマネージャーって1回やってみたかったんだよね〜」と笑う蔵沢に、身体の底から嬉しさが込み上げてくる。



倉持「やっぱ夏休み暇だったんだろ?」

蔵沢「御幸…マネージャーってドリンク作るよね?」

御幸「ん?あぁ、毎日な」

蔵沢「…ふふふ」

倉持「…何企んでんだよ」

蔵沢「お礼も言えない倉持に、私が礼儀を教えてあげる♡」

御幸「おっ、教えてもらえよ元ヤン♡」

倉持「テメェらなァ…!」



単純にも夏休みが早く来ねェかと思うほど、この返事ひとつで俺の気持ちは浮かれに浮かれまくった。


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作者名:華うさ | 作成日時:2016年5月20日 22時

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