27章:文化 ページ27
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そして迎えた文化祭当日。
倉持「‥おぉ〜」
御幸「なるほど‥な」
蔵沢「‥そんなジロジロ見るんだったらお金取るよ?」
俺たち1年B組の模擬店『点心カフェ』は内容が斬新なことやら、チャイナ服というコスが受け、行列が出来るほどの盛況ぶり。
御幸「‥脚見えすぎじゃね?」
蔵沢「そうかな?それよりその台詞、何かお父さんみたいだね」
チャイナ服にがっつり切り込まれたスリットから、チラチラ覗かせる脚を、ニヤニヤ横目に見る男たちの視線。
そんな心配する俺の気持ちを『お父さんみたい』の一言で片付け、ケラケラと笑い飛ばす蔵沢。
蔵沢「ところで交代までまだ時間あるよね?」
倉持「‥まァな」
蔵沢「戻って来るの早くない?」
前半後半で分かれてる店番は、蔵沢は前半組、俺と倉持は後半組。
男2人で回る文化祭が盛り上がるはずもなく、とりあえず先輩たちの所に顔を出し、早々と教室へ帰還。
蔵沢「‥ほんとに友達いないんだね‥」
哀れむ様なその表情と言葉に、何か言い返そうと考えるも、それに対抗出来そうな言葉が浮かばない。
そんなやり取りをしていた矢先、ガラッと教室のドアが開く音がしたかと思えば‥
成宮「あっ、いたいた〜!」
御幸「鳴?!何でお前がココにいんだよ」
蔵沢「あっ、鳴くんだ」
成宮「Aちゃんもひさしぶり〜」
ヒラヒラと手を振りながら、蔵沢に笑顔を向ける鳴の後ろから、半ギレ気味の原田さんも登場。
‥原田さんって、マジで面倒見いいよな‥
原田「おい鳴!勝手に先々行くんじゃねーよ」
成宮「雅さんが遅いだけじゃん」
御幸「で?何でお前がココにいんの?」
成宮「何でって、他校の文化祭に来ちゃいけないわけ?」
噛み合ってる様で噛み合わない会話に、呆れていたその時、鳴が楽しそうに口を開く。
成宮「ところでさァ‥Aちゃんのその格好、安いキャバクラみたいだね!」
原田「‥最低だな」
蔵沢「鳴くんキャバクラ行ったことあるの?!」
倉持「お前もそこじゃねーだろ!!」
コントの様なやり取りを黙って眺めていると、饒舌な鳴は止まらない様子で‥
成宮「Aちゃん、当番いつまで?」
蔵沢「あと‥20分ぐらいかな?」
成宮「じゃあさ、終わったら一緒に回ろうよ!」
御幸「‥原田さんと回れよ」
成宮「男2人で回って何が楽しいのさ!それに青道の校舎とか全然分かんないし」
まさかの思わぬ展開に、ポカンとする蔵沢の顔を見つめるも‥
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作者名:華うさ | 作成日時:2016年5月20日 22時