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20章:告白 ページ20




蔵沢「何系がいい?」

御幸「ん〜‥じゃあコーヒーで」



例のバッティングセンターの賭けで「約束は約束!」と言い張る蔵沢に飲み物の希望を伝える。

「ちょっと待っててね〜」と教室を出て行き、戻って来たら一緒に食うか‥と昼メシには手をつけずその帰りを待っていると‥



女子「御幸くん、あの子が呼んでほしいって」

御幸「ん?」



ドアの方を見れば見知らぬ女子が1人、目が合った瞬間ペコッと勢いよく頭を下げられる。



御幸「俺に何か用?」

女子「コ、ココだとちょっとアレだから‥場所変えてもいいかな‥?」



‥あぁ、この展開は‥



御幸「悪りィ倉持、先にメシ食ってて」

倉持「おう」



倉持にそれだけ伝えた後、無言のままその子の後ろを着いて行けば、人気のない中庭に入った所で足が止まる。



女子「‥せっかくの昼休みにゴメンね」

御幸「別に?そんなの気にしてねーよ」

女子「‥あのっ!御幸くんは私のこととか全然知らないと思うんだけど‥」

御幸「‥‥‥」

女子「っ‥好きです!付き合って下さい‥!」



‥この子はどれだけ勇気を出して、気持ちを伝えてくれてるんだろ‥



今まで何度か告られたことはあったものの、ありがたいと思う反面「またか‥」と感じていたのも事実。



御幸(最低だな‥俺)



自分に好きな子が出来たイマ、想いを伝えることの難しさを痛感してるイマ、伝えられた想いに対して真剣に向き合う−‥



御幸「ゴメン、その気持ちには応えらんねーわ」

女子「理由は‥教えてもらえるかな‥?」

御幸「‥好きな奴がいるんだ」



自分でも驚くほど自然と出た言葉に、一息吐き終えるなり、目の前の女の子が口を開く。



女子「本当に好きなんだね、その子のこと」

御幸「えっ?」

女子「御幸くん‥スゴく優しい顔してた」



その言葉に顔を伏せながら頭を掻いていると、続けて目の前から「ありがとう‥」と告げられた声に顔を上げる。



御幸「何が?」

女子「見ず知らずの私の呼び出しに付き合ってくれて」

御幸「ははっ、礼とか言われたの初めてだわ」

女子「だって‥」



__聞いてもらえないと、何も変わらないままだったから‥



教室に戻る途中、最後に聞いた言葉と、この前亮さんに言われた言葉が脳内で何度も繰り返される。



御幸(ほんと‥動かねェと変わんねーよな)



そんな考えに至った所で教室に戻ると、机の上には蔵沢に頼んでたコーヒーがぽつんと置いてあった。


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作者名:華うさ | 作成日時:2016年5月20日 22時

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