【呪術廻戦‪✕‬文豪ストレイドッグス】二つの力が絡まる世界！？ (ページ44)

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三十三話ページ44

草木の茂る森の中、太宰は大きく手を広げた。

太「さーて、着いたよ！」

釘「で、どこなのよココ。」

『若しかして此処って…』

Aは、何か思い当たったようにハッと顔を上げた。

太「そう！私達が此の世界に落ちてきた場所さ。」

伏「確かにあの時の廃病院の近くですね。

でも、何でこんな所に？」

太宰はそれはね、と薄く笑って人差し指を立てた。

太「異能の特異点だよ。」

釘／虎「「とくいてん？？」」

太「嗚呼。

特異点とは、例えば“必ず先制攻撃する異能”を持った二人が戦ったり、“必ず相手を騙す”異能者と“必ず真実を見抜く”異能者が会話する、の様に複数の異能力が互いに干渉した結果、全く別の結果が引き起こされる現象の事だ。

そして、此処からが本題。

私はこれから特異点を作ろうと思っている。」

『特異点を…！？』

太「私達は此方に来た時、異能力によって飛ばされた。そして、私の異能力は触れる事によって発動する。理論的には可能だよ。」

伏「待って下さい。特異点は全く別の結果が引き起こされるんですよね？危険です！」

伏黒は努めて冷静に太宰を止めた。が、太宰はそれを見越したように何時も通りに微笑んだ。

太「そう、何が起こるか判らない。其れに君達を巻き込む訳にもいかない。

と、言う事で試してみたんだよ。」

虎「·····ん？過去形？」

太「そう、過去形。」

太宰は然も当然と云うように頷いた。

伏「っはぁ！？そんな事する時間、何処にも……！」

“太「私、入水してくるね〜！」”

一年ズ「「「『まさかあの時！？』」」」

※閑話“太宰との日常”参照

太「よく気付いたね〜！見落としてる物があるかもしれないと思って来てみたのだよ、此処に。現場百回と云うヤツだね。

そうしたらあったのだよ。“異能の裂け目”が。」

ちらりと太宰が目を向けた先には、小さな光の漏れる割れ目の様な物が出来ていた。

太「試しに触れてみた結果、面白い事が起こった。
“異能無効化”を持った私が“異世界に飛ばす異能”によってここに居るのが矛盾になったのだろう。

彼方の世界と繋がった。」

『ッ本当ですか！？』

太宰は、判り易く目を輝かせたAに困った様に頭を掻いた。

太「繋がった、と云っても糸一本通せるかどうかだけれど。

·····でも、其れで良いんだ。」

釘「はぁ？流石にそれじゃ帰れないでしょ？」

太「まぁまぁ、見てて呉れ給え。」

“異能力人間失格”