三十二話 ページ42
No side
『·····で、私は其の時の事、私の生い立ち、死にたい理由について話したの。そしたら太宰さんが、“それなら
Aは想い出話をするように笑った。
『僕は“死にたい”って言ってるのにだよ?可笑しいでしょ?』
太「しょうがないじゃないか。だってAは私と心中する事を選んだのだから。」
沈黙。
一年ズ「「「はあぁぁ!?」」」
虎「ちょ、ちょっと待って!心中って、Aさんと、太宰さんが?」
『うん。』
太「勿論。」
伏「おふたり、付き合ってるんですか?」
『·····そう、なんですか?』
太「·····はっきりとさせてはいないけど、心中するのなら、そういう事になるのかな?」
釘「Aさん!早まらないで!この男は駄目よ!絶対!!Aさんにはもっといい人居るから!!」
釘崎は目をかっと開き、鬼の形相でAの体を揺さぶる。
『お、落ち着いて、野薔薇!私、異能力の関係で太宰さんと一緒じゃないと死ねないの!』
釘「あ、そっか。·····いやいやいや、そうじゃなくて…
Aさんが死んじゃったら、私寂しいです。」
『·····野薔薇。』
釘崎の寂しそうで、でも意志の強い瞳に見つめられてAの瞳は反対に揺れた。
『·····有難う。そう言って呉れるのは嬉しい。けど、私は
眉を下げた其の顔に覇気なんて一つも無くて、今にも消えてしまいそうなくらい儚かった。
釘「っ!………」
釘崎は何か言おうとして、グッと体の底に留めた。
再び、部屋には沈黙が訪れた。
太「·····却説、そろそろかな?」
虎「え?」
伏「急に何ですか、藪から棒に。」
先程と同じ様に沈黙を破った太宰に、注目が集まる。
太「ふふ、Aに一寸した
『え、は?何処行くんですか!?其れに
太宰は、はしゃいだ子供の様にAの手を引いて走り出した。
虎「えぇっ!?どういうこと!?」
伏「っ兎に角追い掛けるぞ!」
呆気に取られていた一年三人も、ワンテンポ遅れて部屋から飛び出した。
家「A、起きた?·····って、居ない。
·····まぁいいか。」
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MR - 虚式紫に飛ばされたのに、文才がある。。。つまり作者最強(最高) (2月12日 19時) (レス) id: 4014042a90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Awoikamo | 作成日時:2023年12月11日 18時