昔の話、三つ目 ページ40
次に目覚めたのはふかふかの布団の上だった。
『·····ん、?』
太「やぁ、お早う。よく眠れたかい?」
『わ、·····さっきの、止めてくれた人。』
太「嗚呼、そうだ。私の名は太宰。太宰治だよ。」
『太宰、さん。えっと……改めて、有難う、御座いました。』
太「いやいや〜!私は大した事はしてないよ。お嬢さんのお陰で任務も捗ったし。
本当は、あの取引の阻止は私の仕事の筈だったからね。私も驚いたよ。現場に着いたら奴等は壊滅状態で、見知らぬ少女が異能を暴走させているのだから。
·····ねぇ、お嬢さん。あれは一体、如何云う状況だったのかな?」
太宰さんの視線がほんの少し、鋭くなる。殺意の混じった、鋭い視線。
『(っ、怖い、·····?)』
“怖い”。死や孤独にさえ感じなかった恐怖が、今目の前にあった。
『(私は今、此の人が怖い。怖いんだ…!)』
久し振りに抱いた人間らしい感情に、喜びが隠せなかった。
『(·····もっと、この人と居たら。何時か、殺して貰えるかも)』
理屈じゃなくそう思った。若しかしたら目の前の
でも、私はあの時の判断を後悔した事はない。
『じゃあその代わりに、私のお願いを一つ叶えて下さいますか?』
太「·····一応聞いておこうかな?」
『私を
殺して下さい。』
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MR - 虚式紫に飛ばされたのに、文才がある。。。つまり作者最強(最高) (2月12日 19時) (レス) id: 4014042a90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Awoikamo | 作成日時:2023年12月11日 18時