【呪術廻戦‪✕‬文豪ストレイドッグス】二つの力が絡まる世界！？ (ページ39)

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昔の話、二つ目ページ39

あの日私は、小さな犯罪組織同士の取引を偶然目撃してしまった。

『·····あ』

「あ"あ"ぁ"ん？？んだ手前ェ？」

『(面倒臭い事になった)』

「悪ィな嬢ちゃん。見ちゃいけねェモン、見ちまったな？」

チンピラの一人が、そう云って私に銃を突き付けた。

「·····あ？何で手前ェ怖がんねェんだよ。気色悪い」

「餓鬼なんてさっさと殺しちまえよ。」

『(そういえば、今まで私がやってきたのは自死だけ。他殺の場合は如何なるのだろう……

それも良いかもしれない。こんな下衆に殺されるのは不本意だけど、其れで私が“人間”だと証明出来るのなら、)』

パァンッ

辺りに銃声が響く。·····が、

「っ何で、何でコイツ死なねェンだよ！」

勝手に反応した羽根が、銃弾を私の額すれすれで止めていた。

『矢張り駄目か。』

絶望。此れで駄目なら、矢張り私は人間ではないのだろう。黒い想いが私を塗り潰す。

途端、自分の身体の制御が出来なくなった。

『え、』

「な、なんだよ、アレ！」

「逃げろ！ば、化け物だ！！」

恐らく攻撃された事、更に私の中の負の感情が膨らんだ事で、本能的に反撃したのだろう。何時もなら直ぐに消える羽根が、消える所か次々と私から生まれ、奴らを斬り裂いた。

幸い何の傷も浅く、致命傷には至っていなかったが、このまま攻撃を続ければ、何れ失血死してしまう。

『ま、待って！止めて！』

此処で人を殺してしまったら、それこそ唯の化け物だ。制御しようとしても、その手は宙を藻掻くばかりで、何の意味も成さなかった。

『厭だ！違う、違うの！お願い！止まって…！』

「異能力人間失格」

何時の間にか後ろに居た誰かの手が肩に軽く触れた。と、同時に羽根も、暴走も綺麗さっぱりなくなった。

『ハァ…ハァ……た、助けて、くれて…あり、がとう…ございま、す……』

未だ荒い呼吸を必死に整え乍ら頭を下げた。

太「·····ねぇ。これ全部、君一人がやったのかい？」

『·····え？』

何故そんなことを聞くのか。其れを問う暇もなく、私の視界は暗転した。