【呪術廻戦‪✕‬文豪ストレイドッグス】二つの力が絡まる世界！？ (ページ32)

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二十七話ページ32

太「よいしょ、っと」

太宰さんは“関係者以外立入禁止”と書かれた扉を大きく開け放った。

虎「え、勝手に入っていいの！？」

太「勿論駄目だよ？でも、今回はやむにやまれぬ事情なのでね。後でどうにか誤魔化そう！」

虎「まさかの行き当たりばったり！」

釘「でも本当にここなの？帳どころか結界すら張られてないけど。」

太「だって結界なんて貼ったら“此処に居ますよ〜”って云ってる様な物だろう？本当に隠したい物はごく自然な儘にして置かないと。」

太宰さんは迷い無く真っ直ぐ食料保管庫の扉を開いて、怠そうに声を張り上げた。

太「却説、(名前():お姫様)！迎えに来たよー」

『·····太宰さん。遅かった、ですね。』

こちらに背を向ける様に立っていたAさんがゆっくりと振り返った。

その表情は、まるで後味の悪いB級映画を観た後かの様に、暗く曇っていた。

─────────ほんの十数分前。

夢side

「ぐあっ」

「カハッ」

『·····』

───これで何人目くらいだろう。大量に隠れているとは思っていたけど…此の人数なら転移系の能力で飛ばされてきている可能性すらある。·····でも、数は問題ではなかった。何故なら、

「あ"っ"」

「痛"い"っ"」

『·····』

弱い。弱過ぎる。段々人が積み上がってきた。度胸とやる気だけの奴等の動きなんて止まっているも同然だった。

問題は、私にある。

「うわあぁぁッ」

「がッ」

『·····ッ』

こんなに弱くて糞みたいな奴等でも、殴れば、真っ赤な血が出る。攻撃されれば反撃する。相手が自分より強いと判れば死に怯える。

全て、私に無い物だ。

「止めて呉れ"ッ"！？」

「厭だぁッ！！」

『·····ぁぁ』

殴っても血が出る所か、拳が届かない。攻撃されれば反撃せずとも異能が其奴を消す。相手が自分より強いと判れば死を懇願する。

そんな物を誰が人間と呼ぶのだろう。