アリスを受け継いだ少女は【学園アリス】 (ページ4)

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「美月ちゃん、階級は？」

寮の中に入ると委員長が私に問いかける。
寮は階級ごとにエリアが別れていて、最も多いシングル用のスペースが大きい。

委員長は私の口が開くのをじっと待っていた。

「ほら、荷物置かないといけないし」

通路の真ん中に立つ私たちを他の生徒がちらりと見ながら歩いていく。
今は夕食の時間でみんな食堂へ向かっているらしい。

「もう夕食の時間でしょ？私荷物を置いてくるから2人とも先にご飯食べてきなよ」

「え、でも部屋わかる？」

「うん、大丈夫。ありがとう」

私は委員長が次の言葉を出す前にその場から走り去った。

生徒の流れに逆らい部屋へと向かう。
事前に下見として来たことがあるため部屋の場所は分かっていた。

スペシャル用の部屋に続く通路を通り部屋の前まで行く。
スペシャルは私の他に一人しかいないらしい。

私が自分の部屋の扉を開くのと同時に、隣の部屋の扉が開いた。
出てきたのは黒髪の男の子だった。

目が合った。赤色の瞳。

「……」

「……」

目をそらしたら負けなような気がして私は目を見つめる。
沈黙わ破ったのは男の子だった。

「お前、誰？」

声変わりをしていない少年の声だった。だが愛想は良くなさそう。
無表情で表情筋が死んでいるんじゃないかと思う。

「そっちこそ誰？先に名乗るのが普通じゃない？」

私がそう言うと何も言わずに扉から出て、
先ほど他の生徒が行っていた食堂の方へ向かっていった。

「感じ悪」

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