アリスを受け継いだ少女は【学園アリス】 (ページ15)

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鳴海は私が能力別クラスのことを知らずに困っていると思って探しに来てくれたんだろうか。
教室の光景を見て鳴海は何か言いたげだ。

「2人とも、もう仲良くなったの？」

「どこがよ！」

棗はすました顔で窓の外を見ている。

「まぁまぁ、それよりも美月ちゃん
中校長がお呼びだけど、まだ挨拶いってないの？」

ここに来て1週間が経つが挨拶に行っていない。
予定では早く行くことになっていたが、生憎私はあの人が苦手なので話したくない。

「忙しくって」

「あちゃ～呼ばれちゃったらしょうがないよ」

鳴海は私の行きたくないという気持ちを見透かしたようにそう返す。
ここで行きたくない、なんてわがままをいえば鳴海の立場が悪くなる。

そろっと行かなければならないのだ。

「じゃあ行ってくる」

私は鳴海の横を抜けて教室を出ようとした。
すると腕をつかまれ、中へ戻される。

「何よ」

棗は自分の行動が理解出来ていないような顔だった。
それから鳴海が声をかけると、棗が走り出した。
もちろん私の腕を掴んだままだ。

そのまま校舎を出た。

ようやく棗が止まったのは校舎から少し離れた森のそばだった。

「お前、何なんだよ」

彼は私のほうを振り向いてそう言った。

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