むずかしいおつかい (ページ46)

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病気ページ46

｢つまり、金が無いからくれ、と｣

苦しそうに寝込む幼い少年とそれを取り巻く白男達、さらに私達四人が押し込まれたことで、もとから狭い部屋がさらに狭くなっている。

｢はい。このままでは私達は全員病気で死んでしまいます。薬を買うお金をどうか！ほんの少し......8603ジェニーでいいんです！｣

あまりにも的確に私たちの全財産を指定してくる白男に、思わず眉をひそめて｢はあ、あ？｣とため息とも怒りともつかない言葉がもれる。

｢俺達の有り金全部じゃんかよ.....｣

同じことを思ったようで、呆れ気味に呟いたキルアに激しく同意しながら｢どうする？｣とゴンにも意見を求めた。

｢うーん.....あげようよ。ゲームだとしても苦しんでる人は助けたい｣
｢てんしぃ｣

いやもう本当に優しい。詐欺とかばんばんかかるタイプだこれ。

｢っ！ありがとうございます！｣

目に涙を浮かべて感謝する白男。その横でごほ、と苦しそうな咳とともに少年が囁いた。
寒い、と。
それからは流れるようにことが進んでいき。

｢ああ！貴方達くらいの子供服があれば！｣

この一言をきっかけに、ゴンとキルアは上に着ていたものほぼ全て、私は首に巻いていたマフラーを手放す、という寄贈という名の窃盗にあったのだった。

｢今の、新手の詐欺で使えるんじゃない.....？｣

九割本気で言った私に

｢帰ったら試してみるか.....｣

七割本気でキルアが応えて

｢だめだよ｣

ゴンに却下されて、ため息ついて歩く三人を

｢.....｣

無言で楽しげに眺めるビスケだった。