むずかしいおつかい (ページ42)

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42話ページ42

『......』

知っていて覚悟していたはずなのに、その光景に思わず眉をひそめてしまう。
ボマーにやられたであろう男が、腹から大量に血を流して倒れていた。少しして男は瞬間移動のようにどこかへ消えた。ゲームオーバー......死んだ、ということだ。

『ゲームオーバーだ。現実世界での死を意味する。.....君たち、初心者だろう？ゲームのことを詳しく教えよう』

あ、この人ボマーにやられる人達のリーダーだ。
画面越しでも疲れたサラリーマンみたいだな、とは思ったけど.....リアルで見ると本当にそこら辺にいるおじさんみたいだ。
そんな失礼なことを考えているうちに、二人はおじさんについて先に行っていた。

『ちょい！置いてかないでええええ』

前もこんなことあったな、と思いながら二人のあとを全力で追いかけた。(6話くらい参照)

・

当たり前だが、ついて行った先には後々無残に死んでいく面子が勢ぞろい。その中にビスケの姿を見つけ、危うく発狂しかけた。
会って早々発狂なんてしたら、相当怪しまれるに違いない。まさに危機一髪.....にしては軽い気もするけど、気にしないのがベストだ、うん。

『さて、いきなり本題に入るが.....手を組まないか？報酬は山分けになるが、皆さっきの男を見ただろう。とくに初心者は絶好のカモだ。何も知らないからな』

おじさんはスペルカードの簡単な説明、仲間を集める理由、作戦までを中々に詳しく話してくれる。
改めて聞くと、そこまで悪い話では無いように思う。
だが、ゴンは違うようで。

『キルア、ごめん。.....俺達は自力でクリアする！』

少し苛立ったように言ったゴンは、そのままどこかへと歩いていく。

『リーダーがこう言うんで。俺達もパス』

私も一応会釈をしてから、ゴンを追いかけた。

『おーい、ゴン！』

黙ったまま早足で進んでいくゴンに、キルアが呼びかける。
やっと、ゴンの足が止まった。

『ごめん、キルア！これでキルアにかかったスペルカードが解除できなくなっちやった.....。でも、許せなかったんだ。あいつら、ジンのつくったゲームを悪いように言うんだもん』

ゴンは続ける。

『.....俺は、ジンの言う通りこのゲームを楽しみたい。実際に人が死んでるけど、恐いのはゲームじゃなくて、人の考え方だよ。他の人を傷つけてカードを奪うなんて.....』

『そうか？』

キルアの言葉に、ゴンの表情が再び怒ったようになる。
しかし、キルアは気にしていない。