むずかしいおつかい (ページ36)

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今度こそ題名の意味ページ36

Aのせいで話が進まない、などと文句を垂れながら、Xはホワイトボードを消していく。
心外だ。

X『で！つまり、Aには元の世界に戻るか、この世界で僕の言う通りにストーリーを調整していくか。どちらか選んでもらうって事』

A『残る！』

こんな選択迷うまでもない。私は即答した。

X『Aならそういうと思ってた。じゃあ、必要な時は連絡するから。あ、そろそろ時間が進むから逃げた方がいいよー.....いろいろと』

最後の言葉は気になるけど、時間が止まっているうちにここから逃げた方がいいのは確かだ。
そう思い、アジトから立ち去ろうとする私を、Xが、あ、と言って引き止めた。

『針をさすと、さされた者は少しだけ原作から変わりずらくなるんだ。おつかいが増えて大変だろうけど、これもよろしく』

OH.....まだアレやるんだね.....。

Xが、もうすぐ時間が進み始める、というので、ちゃっかり腕相撲でノブナガの腕を倒してから、私はアジトを去った。え、ズル？ナニソレオイシイノ？

それにしても、ストーリーを調整するなんて、むずかしいおつかいだな......。

Xside

本当は、Aが来るとこの世界が狂う事は知っていた。
でも、Aはこの世界でいてくれると思ったから。
【ある程度】自分の思い通りになる世界。
全てではなく、ある程度というのがまた楽しそうだ。

『僕のために頑張ってくれよ、A』

そう言うXの顔は、いつも通り透明で見えない。