九拾壱 ページ45
『さて、そろそろ帰ろか義勇ちゃん。
…………義勇ちゃん？…あれ、どこいった』
ふと隣を見ると義勇の影がない。
元々存在感薄いねんから何か言ってくれよ…とため息をついたAであったが、すぐに特徴的な半々羽織を見つけた。
廊下の途中で足を止めていた義勇は、珍しいほどにあからさまな…
……ほんとに、義勇にしては露骨な困った顔をしてAへと信号を送っていた。
足元へと視線を移してみると、あの少年である。
山で拾ったあの少年、涼が義勇の足にしがみついていた。あれでは動こうにも動けないだろう。
思わず吹き出したAであった。
『……めっちゃ気に入られたみたいやな義勇ちゃん』
「……剥がしてくれ」
『ええやんええやん、そのまんまでおりーや。
可愛ええやん、りょおちゃん』
「…………動けないんだ。剥がしてくれ」
『剥がすって言い方やめーや義勇ちゃん』
「剥がしてくれ」
『めっっちゃ頑な』
やれやれと首を振ったAは義勇の方へと歩み寄り、ちょうど腰あたりにある涼の頭を撫でてやった。
パッと、勢いよく顔を上げた涼は義勇から離れて、今度はAにしがみつく。
「ありがと、にぃちゃん…
おかえりなさい…！おかえりなさい！！！」
声変わりもしていない高い声と涙でぐちゃぐちゃの顔で、涼は一生懸命に感謝を伝えた。
Aは、少しだけハッとした表情を浮かべたが、すぐさま屈んで涼の体を持ち上げる。
『鬼退治完了や。りょおちゃんも、よぉ頑張ったな』
「あの……！！」
『ん？』
「……ぼ、ボク、にぃちゃん達みたいになりたい！」
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karion(プロフ) - こんなに感動したのは久々で思わず泣いてしまいました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥｀)続き楽しみにしています(≧∀≦) (5月19日 17時) (
レス) @page50 id: d59aca9a13 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - トカゲさん» ありがとうございます！ただいま制作中ですので、お楽しみに！！ (2020年5月14日 17時) (レス) id: dd9aff063c (このIDを非表示/違反報告)
トカゲ(プロフ) - すごい面白かったです！！続きが気になっております！続編頑張ってください！ (2020年5月10日 22時) (レス) id: 8140af0e98 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - スリーパー（?）さん» 涙まで……！！ありがとうございます、本当に嬉しいです！更新、頑張りますね！もう少し、静柱のお話にお付き合いよろしくお願いいたします！ (2020年4月28日 15時) (レス) id: dd9aff063c (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - 雪もちさん» その言葉だけでも励みになります！ただいま下書きに勤しんでいますので、今後も応援のほど、よろしくお願いいたします！ (2020年4月28日 15時) (レス) id: dd9aff063c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タロ。 | 作成日時：2019年10月20日 19時
