五拾壱 ページ5
数年経てば人は学ぶものだ。
年頃の女の子に顔を近付けるなど(それに加えA程の美丈夫となれば)言語道断。してはならないと漸く学んだAである。
『…困ったな』
アオイちゃんに聞くか…やけどアオイちゃんも俺の事目の敵にしとるしな……え、待って?俺蝶屋敷の子達に満遍なく嫌われてない?とAは思った。
Aが困っているのを感じ取ったカナヲも困ってしまっていた。
なにせ、先程炭治郎に“裏表”で決められてしまっていたことがあったからである。
「……しっ…」
『ん?』
カナヲが声を発したものだからAは反射的にカナヲの方に顔を向ける。
目が合ってしまってカナヲはあたふたと顔を赤らめた。
「……し、師範なら部屋に…」
『…!……そうか、おおきになカナヲちゃん』
蚊の鳴くようなか細い声であったが、カナヲも頑張ったのだ。恥ずかしさに顔を覆ってしまったカナヲを見てAは、これは何かあったなと勘づく。
絆されたか…カナヲの攻略ができるって、どんな色男やねん……
お相手が炭治郎とは思いもせずに、初々しいカナヲに見ているAの方が小っ恥ずかしくなりながらも、軽くポンポンと頭を撫でてやるA。
長居も良くないと縁側から屋敷に上がり込んでしのぶの部屋を目指した。
薬を調合しているしのぶを見つけたAはそーっと後ろから忍びよると、しのぶの目を両手で覆った。
『しーちゃん、だーれだ』
「……閼伽さんですか。もう任務に行ってしまったかと」
『もうちょっと反応してくれてもええんちゃうん?』
からかいがいのない、と頬を膨らませたAが手を外すと、くるっと椅子に座ったまましのぶが後ろを向いた。
「その呼び方をするのは閼伽さんだけですよ」
『せやったな』
「で、どうしたんです?」
私、今忙しいんです。とまた机に向かってしまったしのぶの後ろ姿をみて、Aはヤレヤレと首を振った。
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karion(プロフ) - こんなに感動したのは久々で思わず泣いてしまいました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)続き楽しみにしています(≧∀≦) (5月19日 17時) (レス) @page50 id: d59aca9a13 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - トカゲさん» ありがとうございます!ただいま制作中ですので、お楽しみに!! (2020年5月14日 17時) (レス) id: dd9aff063c (このIDを非表示/違反報告)
トカゲ(プロフ) - すごい面白かったです!!続きが気になっております!続編頑張ってください! (2020年5月10日 22時) (レス) id: 8140af0e98 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - スリーパー(?)さん» 涙まで……!!ありがとうございます、本当に嬉しいです!更新、頑張りますね!もう少し、静柱のお話にお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年4月28日 15時) (レス) id: dd9aff063c (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - 雪もちさん» その言葉だけでも励みになります!ただいま下書きに勤しんでいますので、今後も応援のほど、よろしくお願いいたします! (2020年4月28日 15時) (レス) id: dd9aff063c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タロ。 | 作成日時:2019年10月20日 19時