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七拾参 ページ27

今、少年が飛びかかってくればAはモロにその攻撃を食らうだろう。
それぐらい2人の距離は近くなっている。









________カサッ







地面を履物が擦る音がした。

片膝をついて少年に目線を合わせると、Aは何を思ったのかニコリと笑う。
普段から周りに向けている優しい笑みだった。




『…俺も弟を探しとる。それで、引き合わされたんかもしれへんな』

「弟がいるの?」

『おん。ちょうど君ぐらいの年頃のな』



興味深げに尋ね返す小さな彼に答えて、その場へと腰を下ろす。

胡座をかいたその隣に少年が腰を下ろしたのを横目で見てから、Aは自らと真白()の思い出話を語りだしたのだった。









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真白が産まれてきたのは、当時のAが6歳だった頃だった。

それまで両親と姉に甘やかされていたAは、初めて見た自らよりもか弱く小さい命を見て、何となく「愛しい」という感情を知った。







母に似て碧い瞳を持ち色白の肌、父に似て紫っぽい猫っ毛。Aともよく似ていた。


いつも素直な者であれ。


そんな意味合いで付けられた《真白》は、その名の通り、彼を真っ直ぐな子に育てあげた。
少々おっとりした所のある真白であったが、決して阿呆などではなかった。
むしろ、Aよりも賢かった。

歩けるようになってからはいつも、にぃちゃんにいちゃんとAの後ろをついてまわり、近所でも仲のいい兄弟だと評判だった。
容姿端麗なこの兄弟の噂は、街の至る所で耳にするほどだ。






真白は華奢で力が弱かった。

家は店をやっていたのでそこまでの力仕事はいらないが、やはり仕入れの時期や営業時間の間は体力がいる。
店の中は両親と、2人の姉であるヒヨリで切り盛りしており、Aは遠方まで商品を売り歩いていた。









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作者の受験の都合により更新頻度が下がってしまっています……
申し訳ありませんが亀更新になってしまうこと、ご了承くださいm(_ _)m

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設定タグ:鬼滅の刃 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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karion(プロフ) - こんなに感動したのは久々で思わず泣いてしまいました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)続き楽しみにしています(≧∀≦) (5月19日 17時) (レス) @page50 id: d59aca9a13 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - トカゲさん» ありがとうございます!ただいま制作中ですので、お楽しみに!! (2020年5月14日 17時) (レス) id: dd9aff063c (このIDを非表示/違反報告)
トカゲ(プロフ) - すごい面白かったです!!続きが気になっております!続編頑張ってください! (2020年5月10日 22時) (レス) id: 8140af0e98 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - スリーパー(?)さん» 涙まで……!!ありがとうございます、本当に嬉しいです!更新、頑張りますね!もう少し、静柱のお話にお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年4月28日 15時) (レス) id: dd9aff063c (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - 雪もちさん» その言葉だけでも励みになります!ただいま下書きに勤しんでいますので、今後も応援のほど、よろしくお願いいたします! (2020年4月28日 15時) (レス) id: dd9aff063c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タロ。 | 作成日時:2019年10月20日 19時

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