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六拾弐 ページ16

『ほい、お待ちどーさん』



義勇ちゃんも手伝って、と盆を義勇に託し大量の料理を運ぶA。
む…と小さく声を漏らしながら、盆を押し付けられた義勇も食事を運んだ(無表情なので怖がられていた)。
その盆の上はどれも豪華な食事ばかりで、その部屋にいた誰もが目を輝かせる。

その表情を見てAは嬉しそうに頷くと小皿に取り分けては一人ひとりに配り始めた。



『元気出しや?そんな顔しとったら福も逃げてまうからな』

「…あの、鬼狩り様」

『閼伽A。下の名前で呼んでくれたらええから。そっちは冨岡義勇な』

「えと…A様、」

『ほいほい、あ、トキはこっちな』



座敷で待っていた時惟が明らかに困り果ててしまった表情でAに声をかける。

ほいトキの分、と小皿を渡されてしまい、流れで受け取るとそのついでに箸まで渡されて、何がやなんやらよく分からないままに座ってしまった時惟。
何故ここまでしてくださるのかと尋ねたいだけだったのだが、あぁもういいや諦めてしまおう。
時惟はそう思った。


まるで嵐のような人だな…


先程までAの纏っていた張りつめた空気はその空気を吸っただけで肺までも凍りつきそうなほど冷たかったというのに、今度は暖かく心地のいい空気が漂っていた。
子どもたちも今だけは恐怖心を忘れて穏やかな顔付きへと変わる。
時惟と八十八に至っても、最初よりだいぶ顔色が良かった。





そして子どもたちが夕食を頬張っている間に、









ーーーーーーーーーーーーーーーー遂に日が暮れた。








あたりは夕闇に染まる。
紫色に変わりゆくその空模様は妖しく、禍々しい。

日が暮れて早々に時惟の屋敷を出たAと義勇は、本日の戦いの場となる飛燕山と対峙していた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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karion(プロフ) - こんなに感動したのは久々で思わず泣いてしまいました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)続き楽しみにしています(≧∀≦) (5月19日 17時) (レス) @page50 id: d59aca9a13 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - トカゲさん» ありがとうございます!ただいま制作中ですので、お楽しみに!! (2020年5月14日 17時) (レス) id: dd9aff063c (このIDを非表示/違反報告)
トカゲ(プロフ) - すごい面白かったです!!続きが気になっております!続編頑張ってください! (2020年5月10日 22時) (レス) id: 8140af0e98 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - スリーパー(?)さん» 涙まで……!!ありがとうございます、本当に嬉しいです!更新、頑張りますね!もう少し、静柱のお話にお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年4月28日 15時) (レス) id: dd9aff063c (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - 雪もちさん» その言葉だけでも励みになります!ただいま下書きに勤しんでいますので、今後も応援のほど、よろしくお願いいたします! (2020年4月28日 15時) (レス) id: dd9aff063c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タロ。 | 作成日時:2019年10月20日 19時

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