卌弐 ページ44
「おい飴野郎!!」
『ちょ、なになに』
「勝負しろ!」
『は?』
Aは目の前にいる猪がヤケに張り切っている光景に戸惑いを隠せずにいた。
蝶屋敷で特にやることも無くなってしまった今、もうそろそろ自分の屋敷に帰ろうと荷物をまとめていた最中だったのだ。
「勝負しろ!」
『いや聞こえとる』
「遅ェ!」
『てかなんで半裸なん』
猪姿に半裸の伊之助。
正直、Aは引いていた。
元気そうでなによりやな、という心ばかりのフォローも、声が震えているせいか説得力がない。
伊之助にはそんなこと全く関係はないが。
「どうした!怖ェのか飴野郎!!」
『Aな』
「道化野郎!」
『道化!?』
言いたい放題である。
両手が塞がっているAだが、伊之助は引くことを知らないので渋々付き合ってやることにした。
まあ加減せんでやれば秒やろ…とAは余裕そうである。
『……で、何して勝負するんや?』
「考えてねェ!」
『自信満々にアホ面されても困るな…』
うーん…と首を捻ったA。
『……ほな、だるまさんがころんだやるか?』
「あ?樽屋さんが困った?」
『誰や樽屋さん』
だるまさんがころんだ、とAはハッキリゆっくり言い直した。
なんだそれ知らねぇ!と伊之助はワクワク顔。
年相応に無邪気で可愛いなと思いつつAが優しく教えてやると、パンイチとゲンゴロウも呼んでくる!と元気よく走って行ってしまった。
『……パンイチとゲンゴロウ?』
首を傾げたAだが、数分後に善逸と炭治郎を連れてきた伊之助をみて納得。
この時初めて、伊之助が人の名前を覚えるのが苦手な(というか覚えようとしていない)ことに気づいた。
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隆弘 - 誕生日一緒だァァァァァ⁉︎今日から読み始めるので楽しみって感じです‼︎ (2022年7月25日 0時) (レス) @page1 id: 4c1fa166fb (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - 拙い説明で申し訳ありません……!ですが、ありがとうございます! (2020年1月21日 18時) (レス) id: a185b79d93 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - ルルさん» ご指摘ありがとうございます!紛らわしい書き方をして申し訳ございません…あくまで、炭治郎には火の呼吸という認識をワザとさせています。その後の閼伽が「日…ではない」と語っていますので、ここの間違いは意図的となります (2020年1月21日 18時) (レス) id: a185b79d93 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 珊しちでした (2020年1月21日 17時) (レス) id: 2200c5b181 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 珊じゅう話の炭次郎が言ってる呼吸が日の呼吸ではなく火の呼吸になってます (2020年1月21日 17時) (レス) id: 2200c5b181 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タロ。 | 作成日時:2019年9月25日 21時