【鬼滅の刃】静柱は騒がしい。

拾陸 ページ17

場所は戻って蝶屋敷。
部屋に入って寝台へと戻るA。
そのすぐ後にしのぶが部屋へと入ってきた。



「閼伽さん、お薬です」

『おおきに……てかしーちゃん、いつになったら俺のことAって呼んでくれるん』



炭治郎達は機能回復訓練だろうか。
善逸だけが取り残されて、少々不憫だ。



「嫌です」

『いっぺん言うてみ？Aさん♡って』

「絶 対 い や で す」

『そこまで拒否られると俺でも心折れるで』



薬湯をAの手に渡し、しのぶは盆を抱える。
その表情にはいつも通りの笑顔が貼り付けられていた。(こめかみが少々ピクついている。)



「閼伽さんがしーちゃん呼びやめてくれたら考えてあげますよ」

『しーちゃんはしーちゃんやの。俺なりの愛情表現やねんで？』

「気持ち悪いです」

『辛辣』



薬湯に口をつけ、にっがいわ……と舌を出すA。Aが蝶屋敷に来るのを嫌がったりする理由の一つには、この薬湯の苦さもあった。



『しーちゃんやったら苦くないやつも作れそうやのにね』

「良薬口に苦しですよ」



どうしようもないということらしい。

それに、苦いのを飲みたくなければ怪我なんかしないでくださいと追い討ちをかけられ、Aは言葉を失ってしまった。









毎回、しのぶには一本取られてるAである。

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