拾肆 ページ15
「……んだこれ」
『煙草入れ』
「たばこ?」
『天元吸わへんけどあげるわ』
「……派手だな」
煙草入れは木製の箱に漆の塗られているシンプルなものが多いが、天元にとAが考えたのだろう。
そこらのものよりも表面にあしらわれている装飾が豪華だった。花だろうか。どちらにしろ金で縁取られたその花は黒い箱の表面に鮮やかに咲いていた。
「……吸わねぇの分かってて買ったのかよ」
『
「煙管と煙草はちげーだろ」
『あ』
ホンマや…と肩を落とすA。
こうゆう抜けたところも変わらない。ガックリと部屋の隅で縮こまったAに天元は声を上げて笑うと、その肩に手を置いた。
「ありがとな、わざわざ」
『……ほんまは須磨さんたちに何か買って帰ろーと思ってんけどな?櫛か簪ぐらいしか思い浮かばんくって。』
流石にそれは天元が怒るかと……。ボソッと零したA。一応そこら辺の知識はあるようでホッとした天元。自分の嫁たちに櫛など持ってこようものなら、いくらA相手でも天元は容赦しなかっただろう。
「で、弟の手掛かりは掴めたのか?」
『……いんや、全く』
地方遠征へ頻繁にAが行く理由。
それはただ、隊士の教育だけではなかった。
Aが15歳の頃。弟の真白が人攫いに遭い、それ以来行方がわからなくなっている。
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隆弘 - 誕生日一緒だァァァァァ⁉︎今日から読み始めるので楽しみって感じです‼︎ (2022年7月25日 0時) (レス) @page1 id: 4c1fa166fb (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - 拙い説明で申し訳ありません……!ですが、ありがとうございます! (2020年1月21日 18時) (レス) id: a185b79d93 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - ルルさん» ご指摘ありがとうございます!紛らわしい書き方をして申し訳ございません…あくまで、炭治郎には火の呼吸という認識をワザとさせています。その後の閼伽が「日…ではない」と語っていますので、ここの間違いは意図的となります (2020年1月21日 18時) (レス) id: a185b79d93 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 珊しちでした (2020年1月21日 17時) (レス) id: 2200c5b181 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 珊じゅう話の炭次郎が言ってる呼吸が日の呼吸ではなく火の呼吸になってます (2020年1月21日 17時) (レス) id: 2200c5b181 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タロ。 | 作成日時:2019年9月25日 21時