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【鬼の色】


Aは確かにそう言った。

ハッとしてAの方を向く炭治郎だが、身を起こしてこちらを見るAの表情には明らかに変わった様子はない。
寧ろ、警戒のできない優しげな笑みを向けられて思わず目を逸らしてしまった。









掴めない。そう思った。

ここの柱たちは一人一人少なからず感情諸々の匂いが感じられた。
そしてそれが【この人たちも人間なのだ】と炭治郎が唯一、安堵できる要素でもあったのだ。

だがこの閼伽Aという男。

この男は、この部屋に入った時から《匂いが全くしない》。
感情という感情も、生きている人間の匂いも全くしない。
でも炭治郎の目の前にいるこの男はれっきとした生きている人間だ。









明け方の、あの匂いすらもない。









あれは再現することすら出来ないが、炭治郎の中に根強く恐怖を植え付けるほどの独特な感じがあった。
実際のところは分からないがきっとこの男のものだと炭治郎は胸を張って言える。

何を考えているのか分からない。
何を感じているのかも分からない。

だが、この人にはなにかある。

炭治郎から鬼の【色】を感じ取ったAは一体何を考えているのだろうか。
それが読めない炭治郎は乾ききった喉を潤すように唾液を飲み込み、緊張に身を強ばらせながらも声を発した。


頑張れ炭治郎。柱合会議も乗り越えたんだ。
大丈夫、きっと大丈夫だ。


そう己に語り掛けながら。









「……妹が、鬼になったんです」









ひとつひとつ時系列が有耶無耶にならないように気をつけて炭治郎は言葉を繋ぐ。
途中で口を挟むこともせず、ただ静かに炭治郎の話に耳を傾けるA。
深い碧い色をした瞳が、炭治郎を捉えて離さなかった。

陸→←肆



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設定タグ:鬼滅の刃 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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隆弘 - 誕生日一緒だァァァァァ⁉︎今日から読み始めるので楽しみって感じです‼︎ (2022年7月25日 0時) (レス) @page1 id: 4c1fa166fb (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - 拙い説明で申し訳ありません……!ですが、ありがとうございます! (2020年1月21日 18時) (レス) id: a185b79d93 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - ルルさん» ご指摘ありがとうございます!紛らわしい書き方をして申し訳ございません…あくまで、炭治郎には火の呼吸という認識をワザとさせています。その後の閼伽が「日…ではない」と語っていますので、ここの間違いは意図的となります (2020年1月21日 18時) (レス) id: a185b79d93 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 珊しちでした (2020年1月21日 17時) (レス) id: 2200c5b181 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 珊じゅう話の炭次郎が言ってる呼吸が日の呼吸ではなく火の呼吸になってます (2020年1月21日 17時) (レス) id: 2200c5b181 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タロ。 | 作成日時:2019年9月25日 21時

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