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＿＿＿＿ふと、背中をさすられる感覚がした。
ハッとして隣を見る。
知っている体温だったからだ。
知っている撫で方。
7年間ずっと支えてくれていたその感触を、私が忘れるはずがない。
しかし、目線を移してもそこにいたのは悔しそうに下を向いた恵くんだけ。
今にも泣きそうな顔をした悠仁くんは、拳を握りしめて唇を噛んでいる。
それでも背中の感触は妙にリアルで、未だに少し高い体温が私の背中に残っているような気がしていた。
「……恵くん。悠仁くん。…お願いがあるんですけど、いいですか？」
自分の声が震えている。
怯えた仔犬のように潤んだ4つの瞳がこちらを向いた。
「この子を……息子を、抱っこしてあげて下さい。……あの人に、…丈夫な子が産まれましたよと、伝えてあげてください」
精一杯の笑顔を作る。
…笑え。
泣くもんか。
こんな所で、泣くもんですか。
不慣れな手つきで恵くんが息子を抱き上げる。
眠っている我が子は彼の腕に小さく収まって、すやすやと寝息を立てていた。
恐る恐るの恵くんは、おそらく赤子の柔らかさが怖かったのだろう。
時折少しだけ動く息子に戸惑って、悠仁くんに助けを求めていた。
悠仁くんが息子を抱いた。
小さい子の扱いに慣れているのだろうか。
優しい手つきで息子の頬をツン、とつついていた。
可愛い…、悠仁くんがそう零した声が聞こえたのか、眠っていた我が子が少しだけ目を開く。
＿＿＿＿彼によく似た深藍色が、こちらをじっと見つめていた。
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黒猫25 - ただただ感動しました。七海さん、推しなのでとても嬉しいです！ありがとうございます (2022年4月19日 22時) (
レス) @page47 id: 270b34836a (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - 六花さん» コメントありがとうございます…！七海さんらしい、という言葉が何よりも嬉しいものでございます。夫婦は似るもの、という言葉に倣ったエンドにしたかったのです。ハッピーエンドと感じていただけたのなら光栄でございます。本当に、ありがとうございます！ (2021年4月15日 8時) (レス) id: 6d2f9f581f (このIDを非表示/違反報告)
六花 - やっと七海さんらしい夢小説に出会えました。悲しくてさみしくて読みながら泣きました。終わり方もとてもよかったです。旧住まいに戻りそこから未来が続いていくと感じられたところが特に。最後の電話のやり取りなんて堪らないです。ハッピーエンドだと感じました。 (2021年4月13日 18時) (レス) id: 001585b729 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - マリイさん» あなた様の解釈に一致していれば幸いでございます。通りすがりにでも一読していただき、誠に有難うございました。 (2021年3月7日 18時) (レス) id: 6d2f9f581f (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 建人は私の夫 建人の方からプロポーズして来た建人は私が居ないと私に愛されてないと建人死んじゃう建人は私には超過保護 (2021年3月7日 11時) (レス) id: 421640d4d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タロ。 | 作成日時：2021年1月28日 2時
