東方白黒想〜warld is colcr rost〜

入り口 ページ4

「うわぁ……出入口からの侵食が進んでいますね……」
サイファが、声をもらす。
目の前には紅魔館の門番、『紅美鈴(ﾎﾝﾒｲﾘﾝ)』が、いつものように居眠りをしながら立っている。
「そこどいてくれないか？」
「Zzz……Zzz……」
魔理沙の声も聞こえてないのか、全く動じない。
「今日もいつもの門番は寝て……?! 足が！」
「それも大変だが、今は鍵を探すぞ！」
霊夢の情報を確認せず、魔理沙は美鈴の体を探り始めた。
二人が話している間、サイファはそばにまだ色がある草をとり、何かの詠唱を始めた。声に気づいた魔理沙が、後ろを向きながらサイファに聞く。
「サイファ、お前、何してるんだ？」
すると、その声に気づいたサイファが、二人に向かう。サイファの手を見ると、そこには鍵があった。
「門番さんから鍵をまさぐりとるヒマはありません！ 能力で合鍵を作ったのでこれで入りましょう！」
二人の顔がぱぁっと明るくなる。
「そうだな！ 中に入るぜぇー！」
そうして三人は紅魔館へと入っていった。
「Zzz……Zz――」
居眠りを続けていた美鈴が、灰色になった。
少し離れた場所に、一人の少女が一連の流れを見て、言った。
「ここまでは全て正しいのか……これからも正しいと思うけど」

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