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後頭部に銃口が突きつけられたその後ろから、女性の声が響く。
「本当に勘が鋭いわね。ジンがミスをしたって言うから何が起きたのかと思ったけれど」
いつの間にか、バーには人っ子一人いなくなっていて、私は溜息を吐く。
「なんで君までイギリスにいるんだい、ベルモット。あの組織は日本で活動しているはずだろうに……」
そう言えば、マスター……に変装したベルモットは銃口をゴリ、と頭に押し付ける。
「……ベレッタとゴロワーズ・カポラルでジンだと特定して、死体を見たのに警察に言わない、そして私の変装を見破った挙げ句に私がベルモットだと知っている。……ねぇ、貴方何者？」
「ナマモノ」
パンッ！
即答すれば、目の前を銃弾が掠めていった。視線をバーの入口に移すと、そこにいるのは銃を構えたジンとそれに付き従うウォッカ。
あぁ、逃走経路塞がれたな、などと考えていると。
「ふざけてねぇでさっさと答えろ。どこの回し者だ、てめぇは」
ジンがそんな台詞を放ち。
私はすぅ、と目を眇めた。
「どこの回し者だって？」
くくっ、と押し殺した笑いが喉から漏れる。
「……ふざけたことを言っているのはそちらだね」
そう言うと私は瞬時に屈伸し、床に手を着いて足を振り上げベルモットの拳銃を蹴り飛ばす。ウォッカの腕を両方とも暗器を投げて指を傷つけて銃を取り落とさせ、「ぐっ！」とか呻いている隙に手近な椅子を投げて目眩ましに。
それでできた時間を使ってベルモットの落としたグロック17を拾い上げ、カウンターに回り込みベルモットの腕を固める。
そのままグロックの照準をジンに合わせた。
「もう一度言ってごらんよ、ねぇ？ どこの回し者？ つまり私が誰かの犬だと言いたいのかな？」
面白い冗談だね！
そう楽しげな声を上げながらも、私の表情は何一つない無表情。ベルモットが苦しげな声を上げ、ウォッカは顔を強張らせ、ジンはピクリとも顔を動かさない。
「私が牙を抜かれた飼い犬だとでも？ 飼い主に尻尾を振る従順な犬だとでも？ 私に指図できる立場の人間がいるだなんて、本当に面白い冗談だよ。
……つい最近、君たちの組織も私の手で壊滅しかかったくせに」
「……なんだと？」
「もう一度、《黄昏の悪夢》を再現してあげてもいいんだよ？」
冷たい微笑みを見せれば、三人は初めて驚愕の表情を見せた。
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祝福を貴方へ(プロフ) - ハマっていた当時一番好きな作品でした。懐かしい気持ちになりながら再読。非常に面白い作品をありがとうございます。 (2021年11月26日 21時) (
レス) id: 1da6884cdd (このIDを非表示/違反報告)
愛 - すごく面白いです。長く続いているので、読みごあります。これからも頑張ってください。 (2017年7月26日 8時) (レス) id: a49300f60e (このIDを非表示/違反報告)
を。 - 白髪の子の設定もう少し簡単にしてほしかったです。長々しくて飽きちゃいました。 (2016年8月28日 0時) (レス) id: 193e3c63af (このIDを非表示/違反報告)
坂佐野 はずみ(プロフ) - 主人公ってかなりのキチガイなんでしょうか (2016年8月5日 23時) (レス) id: 5347212e91 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - 凄いですね！いつも楽しく読ませていただいております。難し言葉とかに詳しいんですね！これからも頑張ってください！ (2016年6月30日 21時) (レス) id: 34dd7aa040 (このIDを非表示/違反報告)
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