無表情さんはストレスがたまっているようです【今日から俺は!!】

早川さんが拉致られたようです１ ページ25

「ヘェ、どおりで慣れてるように見えたわけだ」

「げっ…」


開久の集団の中から、銀髪の苦手なアイツが出て来て言う
どーして、どいつもこいつも顔を覚えてるかなぁ…


「あの時は智司に免じて逃したけどよぉ…次はねえからな？」

「相良、やめろ」

「はァ？だってコイツもスケバンだろ？なら喧嘩するくらい、いいじゃねえか」

「……」


oh…「スケバンだよ」って公表すると、こんなデメリットあったのか…

智司さんも、言い返せないでいる…あー…申し訳ない


「ごめん、智司さん。今まで庇ってくれてありがとね」

「！いや…構わない」

「それじゃ」


流石にこれ以上カバーしてもらうのも虫が良すぎる気がして、
今までのお礼だけ言って、この場から逃げるように家に向かう

そんな中思い浮かんだのは、悪い笑みを浮かべた相良の姿
…面倒な奴に絡まれてしまった…




・



そして翌日
三橋と伊藤君とで登校していると、校門前に川崎さんらしき人の姿が見えた

早川さんがいない…もしかして


「どうしたの、明美ちゃん」

「京子さんがヤツらに捕まった」

(やっぱり…)


伊藤君が聞くと、予想していた答えが返ってきた
昨日のヤツら、明らかに下っ端ぽかったし…上の奴がいると思ってたし…


「京子さんが最初にボコったヤツっていうのがヤクザだったらしくて」

「なんでヤクザがスケバンにボコられるかな〜」

「えらく酔っぱらって絡まれたって言ってたから…で、
香澄の工場跡に助っ人のデカイ女とマブい女連れて来いって」

「んん…？マブい…？」

「Aちゃんの事だと思うよ」


不思議に思ったけど、すぐに納得する。マブく見えたのは、早川さん達のメイクの力だ
そうじゃなきゃ、この無表情…鉄仮面野郎なんか、マブくは見えないだろう


「俺は行かねー…伊藤行けよ、自分が間違ってなきゃ負けねーんだろ」


朝からギクシャクしてるとは思ったけど…絶対昨日、私が帰った後になんかあったでしょ


「川崎さん、案内お願いできる？」

「はい！こっちです」


二人の間に何があったのか、気になるけど…それは後でもできることだし
今、優先すべきは早川さんの奪還だろう



「え！？Aちゃんも来るの…？」

「当たり前でしょ」


川崎さんに案内を頼むと、伊藤君がそんな事を言ってくる
…本当、女子に対して過保護だねぇ

なんとか伊藤君を説得し、私達は指定された工場跡へと向かった

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