_24_ ページ24
今度こそ、けじめをつけなければならないのだ。
なんて思いながら。
いつかのように、机にだらりと潰れたように伏せて隣に座る瑞稀くんを見る。
「…瑞稀くん。私を馬鹿な女だって笑って」
「馬鹿」
瑞稀くんは私の方を見向きもしないで、端的に馬鹿とだけ言った。
「ストレートだなぁ…」
「注文が多い。
………今日は、来たんだ」
「うん、流石に連続ではサボれないよ」
「はしもっちゃんとどこ行ったの」
「海」
「…はぁ？」
まだ夏じゃねぇじゃん。
半袖の時期ですらねぇじゃん。
盛大に眉をしかめた瑞稀くんがブツブツとお小言のように言ってから、ふと、こちらを見る。
「…で？どうした？」
「…私が、馬鹿だって事に、気付いた」
「そりゃよかった」
「…冷たい、酷い」
そう言えば、だからお前に優しくする理由がない。とこれまたバッサリと言われてしまった。
「…漸く気付いた？」
「…涼くんを、たくさん傷付けていた事に気付いた」
「…馬鹿だなぁお前。
はしもっちゃん、別にそこに気付いて欲しかったんじゃないと思うけど？」
本当に呆れたように溜息をついて、持っていた教科書で私の頭をパコン、と叩いた。
痛いよ、瑞稀くん。
少しだけだけど。
「どうすんの？」
それを、昨日からずっと、悩んでいるっていうのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 387人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
京本ゆい(プロフ) - このお話、ほんとすきです！afterstoryも楽しみにしてます！ 次回作は3がいいです！ (2018年11月11日 10時) (
レス) id: fb3f28583b (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - ときめきまくりでした。面白かったです。 (2018年11月11日 8時) (レス) id: f6604b4d7c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：眠り姫 | 作成日時：2018年10月3日 21時
