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「ん〜、面倒くさかったから？」
『何故にそこは疑問形なんですか？』
「俺ってさ、モテるじゃん？」
『あ、やっぱり自覚あったんですか』
「まーね。でね、元々人見知りは人見知りだったんだけど、俺なりに頑張って対応してたわけ」
『成る程』
「そしたらなーんか面倒くさいことになっちゃってさ、それなら最初から“人見知りで女の子が苦手な優等生、チョン・ジョングク”っていうイメージが着いてた方がいいんじゃない？って思ったんだよね」
『なるほど？』
「そー、ってわけで教室――あー、学校だとあんな感じでやってるの」
『……で、たまたま私がジョングクくんの素を目撃してしまったってことですか？』
「そー、ほんと、計算外だったんだから」
これでバレるの二人目だよ〜、と天を――いや、ここだと天井を見上げているだけなんだけど――仰ぐジョングクくん。
『あ、このジョングクくんを知ってる人がもう一人いらっしゃるんですね』
「そ、図書委員の先輩」
『そうなんですね』
「この前は当番一緒だったけど揶揄いがいのある人たちだったなぁ」
そう言って、くすくすと笑うジョングクくん。
ジョングクくんってもしかして悪戯っ子なのかなぁ、と思いつつ話を聞く。
『人達……？』
なんでここで複数形……？
「うん。そのヌナ――先輩、幼馴染がいてね、絶対その幼馴染は先輩のこと好きなのに、本人は全然その好意に気がついてないんだよ」
うん、あれは傑作だったね。と笑うジョングクくん。これはかなりやんちゃな男の子なのかも。
『……ジョングクくんは私にバレても大丈夫だったんですか？』
「んー、うん。Aにならいいや。Aも周りの女の子と一緒な感じしないし」
『あー、そうかも……』
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作者名：木染 凌 | 作成日時：2022年2月12日 22時
