39 ページ39
――おれのこと、誰かに好きになられたらAはイヤ？
そんなテヒョンの言葉とソクジンオッパの言葉が重なる。
『それが、よく、わからなくって』
「ふーん……じゃあ、その人の隣にAじゃない人がいて、その人と別の女の子が一緒に歩いて笑ってるのを許せる？」
『許せる……けど、ちょっと寂しいかな』
「じゃあ、テヒョンくんが誰かに好きって言ってたらAはどう思うの？」
『……それは……って、なんでオッパがテヒョンのこと知ってるの！？』
「何でって……まぁなんとなく予想はつくでしょ？」
『いや、それ多分オッパだけだよ……』
「そうかなぁ？テヒョンくんの表情よく見れば一発のような気もするけど」
にこにこと笑うソクジンオッパは、なぜか楽しそうだ。
「で、質問の続き。Aはどう思う？」
『えー……ちょっとモヤっとする……かな？』
「Aらしいね。それがちゃんとわからないってところが。普通の女の子なら、それを“嫉妬”っていう感情だってことわかるはずなんだけどなぁ〜」
――『……テヒョン、そういうの他の女の子に言っちゃダメだよ？』
『やだ、というか……多分そんなことテヒョンに言われたら大体の女の子はテヒョンのこと好きになっちゃうよ』
もしかして。さっき私がテヒョンに言った言葉は、嫉妬からきた言葉だったのかもしれない。
「どうしたのA？耳、真っ赤だよ〜？」
『そんなに楽しそうに聞かれたら心配してないのバレバレだよ！』
「ふふ〜ん、テヒョンくんも大変だねぇ、こんなに鈍い女の子を好きになるなんて」
『にぶっ……まぁ、鈍いけど……』
「ヤー、そういう子たちにはイタズラしたくなっちゃうんだよねぇ」
ふふ〜ん、と悪戯っ子のような笑みを浮かべたソクジンオッパは、すくっと立ち上がって、私の方に来る。
『ちょっ、オッパ！？』
「ヤー、静かにしてて？動かないで、そのまま」
そのまま私の背後に来たと思ったら、少しチクっとした痛みが首元に走る。
『……？』
「もういいよ〜？あぁ、明日テヒョンくんとか他の男の子に何か言われるかもだけど、そのこと、だいたい“虫刺され”って言っておけば大丈夫だから。よろしくね」
『……え、どういうこと？』
「ほら、もうご飯冷めちゃうからさっさと食べる〜」
『はーい』
結局オッパがしたことはわからずじまいで、その日は終わってしまった。
因みにオッパにはさすがに父の部屋を貸した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
木染 凌(プロフ) - りおんさん» わーっ！ありがたいご指摘ありがとうございます……ダメですね、ついいつもの癖が出てしまって……。ご指摘、ありがとうございます……直させていただきますね！ (2022年1月5日 22時) (
レス) id: a5ef8e0975 (このIDを非表示/違反報告)
りおん(プロフ) - 楽しく読ませていただいています♪ひとつだけ気になったのですが女の子から年上の男性はオッパになるので、ジンヒョンではなくジンオッパになると思います！ (2022年1月5日 18時) (レス) @page33 id: 9be766f014 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：木染 凌 | 作成日時：2021年12月29日 5時
