月華の剣士 肆【鬼滅の刃】

158、ほどけた糸 ページ7

鬼が消えていく時の灰のような匂いがしない……

「僕に勝ったと思ったの？可哀想に哀れな妄想して幸せだった？」

「僕は自分の糸で頸を切ったんだよお前に斬られるより先に………」


「もういい……お前も妹も殺してやる」

「こんなに腹が立ったのは、久しぶりだよ」

近づく累、が、炭治郎には、立ち上がる力が無かった。


「不愉快だ……不愉快だ……前に同じくらい腹がたった事が二回あった……ずっと昔だよ……片方は覚えてる……お前らが、凛月姉さんを鬼から奪った事だ！！もうひとつは覚えてないよ………それくらい昔の事だから……」

累は炭治郎と禰豆子に怒りをむけながら首をつける。

「そもそも、なんでお前は燃えて無いのかな……僕と僕の糸だけ燃えたよね

妹の力なのか……苛苛させてくれる

なんの未練もなく…お前たちを刻めるよ……」

血鬼術……殺目籠！！

そう累が術を出し、炭治郎達を包み、

炭治郎は必死に禰豆子だけでも守ろうとした。

すると、凛月の声と義勇の声が炭治郎達に響いた。

「……天の呼吸、壱ノ型………時雨」

凛月が炭治郎の周りの糸を一瞬にして消し

「凛月姉さんッ？……なんでッ………」

「累…………久しぶりだね」

動揺した累に義勇が前に来て言った。

「後は……任せろ…凛月…そいつらの手当を頼む」

凛月は義勇に言われ、炭治郎たちの怪我を見る。

その凛月の顔は朦朧としている炭治郎でも、分かるほど、苦しげだった。

「大丈夫？炭治郎君……今手当するね……」


「凛月姉さん！！なんで…」

「ごめんね……累……でも、私は今、鬼殺隊だから………」

「姉さんも僕との絆を壊すの！！！！。

次から次に邪魔ばかりする！！どうして、」

叫び再び血鬼術を使う累

彼女は累に静かに言った。


「違うよ……あなたを解放する為に来たの……私達はね……義勇さん、すみません……お願いします……」

凛月の頼みに義勇は累の血鬼術を


「あぁ………水の呼吸……拾壱ノ型…………凪」


無表情のままに、切り捨てる。
はらりと散る糸は、義勇に1本も届かない………
そして、彼は目にも止まらぬ早業で、
累の首を斬ったのだ。

手が届くことも無く…たた、身体だけになっても、累は炭治郎達を殺そうとした。
が、凛月がその身体を素手でとめ、力強く抱きしめる。
彼女は泣いていた。

「もう……闘わなくていいの……寂しく思わなくていいんだよッ……大丈夫……」

累はその時、昔の事を思い出した。

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