月華の剣士 肆【鬼滅の刃】

186、列車に向かえ！ ページ37

無惨の感情から解放され、
凛月は無一郎に抱きしめられていた事にやっと気づく。
どうやら、無意識だったようだ。


「ごっ…ごめんね……無一郎君…?!」

慌てる彼女に微笑み、彼は彼女の頭を撫でた。


「あははッ…可愛かったからいいけど……平気？立てる？」

「うんッ…大丈夫……」

「そっか……けど、僕は、必ず、全部思い出すし…

…凛月も救うから…この事だけは、僕も君も忘れない……約束だからね……」

可愛い顔で男らしく、無一郎は彼女の手を引き引き寄せる。

そんな彼に彼女はただ、顔を手で抑えた。

歳下だけど、彼女には優しい彼に涙する。

本当は怖い恐怖心を抑えつけた。


「ありがとうッ……ございますッ」


そう言って……次には笑うと、彼女は無一郎とおでことおでこを合わせる。


「無事で……また、会いましょう……」


儚げな彼と儚げな彼女は、実に

美しく、周りにいた。隠やら隊士達を魅了した。

けど、彼女は震えていた。
それに、無一郎も気づくが、彼女の笑みに止めるのをやめる。

きっと…止めても君は任務を放棄なんてしないもんね…


彼女は、次の任務にひどい寒気がした。
杏さん……大丈夫ですよね？

彼女はただ、何事もない事を祈りながら、
無一郎と別れ、任務に向かう。

そう、人が行方をくらませる汽車に乗るために……

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