181、大切にしてくれればいい ページ32
「怒ってますか?」
炭治郎の問に、しのぶは目を見開く。
凛月に昔、同じような事を言われた気がする。
怒られても、しょうがない……きっと、彼女と同じように、彼も鬼を連れているんだ…しょうがないというだろう。
「…………そうですね……私はいつも怒ってるかもしれない……」
「鬼に最愛の姉を惨殺された時から……鬼に大切な人を奪われた人々の涙を見る度に絶望の叫びを聞く度に……私の中の怒りが蓄積され続け膨らんでいく。」
「体の一番深い所にどうしようも無い…嫌悪がある。……きっと、他の柱たちも、きっと、同じ様なものです……」
「まあ、今回、彼らも人を喰ったことが泣いても禰豆子さんを直接見て気配を覚えたでしょうし、御館様の意向もあり誰も手出しすることは無いでしょう。」
「私の姉も君のように優しい人だった。」
「鬼に同情していた。自分が死ぬ間際ですら……鬼を哀れんでいました。」
しのぶは拳を握る。
「人を殺しておいて可哀想?…私はそうは、思えなかった。……そんな馬鹿な話はないです………」
「でも、それが、姉の夢ならば私が継がなきゃ……哀れな鬼を斬らない方法を考え続けなければ、姉が好きだった……」
「笑顔を貼り付けて、でも、それも、凛月さんは、見抜いていましたけど…だから、少しは軽くなったんです………私は私なのだからと、言ってくれたから………」
「え?」
「あの人は、自由に生きて欲しいんです……100年苦しんだのだから、私は凛月さんの為にも
鬼を倒すと…約束したんです……」
「鬼は嘘ばかり言います……自分の保身の為に…理性も無くし、剥き出しの本能のままに人を殺す」
「炭治郎君…頑張ってください……どうか、禰豆子さんを守り抜いてね」
風邪が吹きしのぶの髪が揺れる。
「自分の代わりに…君が頑張ってくれていると思うと私は安心する。より気持ちが楽になる」
そして、しのぶが炭治郎の前から消えた。
すると、今度は、任務から帰って来たのだろう。彼女が悲しげに笑っていた。
「あははッ……しのぶちゃんは、相変わらずですね……私は彼女にも、自分を大切にして欲しいんですがね……」
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mayumi(プロフ) - KATさん» 月華の剣士シリーズでは凛月ちゃんは杏寿郎を・・・救済しますよね? (2020年1月3日 0時) (レス) id: 58f715f8f9 (このIDを非表示/違反報告)
宇髄天元の四人目の嫁 - アアアアアアアアアアアありがとうございますスススススススス作者様(文才の神様)の益々のご多幸を切にお祈り申し上げまスススススススス (2019年11月2日 10時) (レス) id: 8067fa906f (このIDを非表示/違反報告)
KAT(プロフ) - 宇髄天元の四人目の嫁さん» コメントありがとうございます!初の番外編という事で日を跨いでしまいましたが、よろしくお願いします (2019年11月1日 3時) (レス) id: f2fa7b9b77 (このIDを非表示/違反報告)
宇髄天元の四人目の嫁 - 誕生日なので鬼滅学園の番外編お願いします! (2019年10月31日 17時) (レス) id: 8067fa906f (このIDを非表示/違反報告)
宇髄天元の四人目の嫁 - アアアアアアアアアありがとうございます!!!!!!!!!!!!!! 今日も、出来れば頑張って欲しいです! 我が儘言ってすいません!!! (2019年10月23日 16時) (レス) id: 8067fa906f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:KAT | 作成日時:2019年10月21日 7時