不変な少女Ⅰ【ヒロアカ】 (ページ5)

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5、爆豪勝己と緑谷出久ページ5

爆豪勝己と緑谷出久

春、始まりや終わりが来る季節……

教室では、皆志望先の話で持ち切りだった。
中学三年…当たり前ちゃ当たり前だが、
愛白にはそれは、実に退屈な時間だった。

進路とか……ないよ、別に…
彼女の目には光が無い……

でも、そんなこと気にする事無く。先生は言った。

「まあ3年という事で本格的に将来を考える時期…だが…………
、だいたいみんなヒーロー科志望だよね？」

いや、違う………そんな職業……
望んでない……
個性を見せ笑う彼等…
…愛白は手を挙げること無く、黙って外を見つめていると、
出久が小さく手を皆と同じく上げているのが見えた。
あれ以来………彼女は家族と会話をしていない。
帰れば、部屋にこもり、引子が置いていったご飯を食べ、黙って学校に行く。そんな毎日だ。

少なからず、そんな彼女に、
出久と引子は昔……彼女に言った事を気にしてるが、
彼女にはもう、関係ない事だった。

別にどうでもいいんだよッ……
なのに………あぁ、息苦しいなんで？なんだ？

「みんないい個性だ！だが、校内での個性使用は原則禁止な？」

「先生！！皆とか1色たんにすんなよ！」

そう言い誰よりも高らかに笑う少年は紛れもない2人の幼馴染で、出久の苦手な、爆豪勝己だ。

昔は、愛白も彼と話していたし、遊んだりしていたが、今は、個性による自尊心の塊になり、彼女も、話していない。

そんな彼は恵まれている…才能にも、周りにも…
そう愛白は思っていた。

「俺はこんな没個性達なんかと一緒に底辺なんて行かねぇよ！！」

勝己の言葉にクラスが1弾に騒がしくなり、彼女は頭が痛くなる。

ああ、また、苦しい………

さらに、追い打ちをかけるように
先生は彼等に、こう呟いた。

「あー確か、爆豪は雄英高だったな………」

雄英高………可の有名なヒーローを次々と排出してきた超名門にして、
今年は偏差値79とかなり頭的にも高い高校だ。

そこを勝己が受けると知り驚く周りと、その中で1人、萎縮する出久
ただ、無表情の愛白……
そんな中、先生の言葉に悪意はきっと、無かったはずだ。

「そういや、緑谷兄妹も雄英志望だたな…………」

視線が2人に集まる。

幼馴染で、タフネスの塊の彼にとって、無個性者と同じ高校など……黙っていられるわけが無い……
だから……見えた、彼がそんな2人を睨む鋭い目が
愛白はその目が昔の出久と引子を見ているようで、ただ苦痛だった。