不変な少女Ⅰ【ヒロアカ】 (ページ21)

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彼女の言葉にその男は眉間にシワを寄せる。

「俺より、入試が終わったのに……勝手に校内見学してるやつの方が怪しい………どうやって、入ったんだ。入試会場以外は警備員がいて入れないはずだが？」

あぁ、疑われてるのか、
彼女は直ぐにその現状を理解すると言った。

「あぁ、そうなんですか？
………でも、普通に入れてくれましたよ？通れたし、」

男は彼女の妙な雰囲気がどうしても怪しくて仕方なかった。
何故、厳重な警備をたかが学生が通れたのか、
何故気配が曖昧なのか………

「そんなはずない………ちゃんと応えろ！」

男は布を飛ばし愛白を捕らえる。
その時、彼女は悲しげな目をした。

「…………本当に……普通に入ったんです…………逃げてきただけなのに…………」

別に逃げれるなんて、考えちゃいない、でも、安全だと思ったのに…

「逃げてきた？何からだ？」

「…………さあ、……………関係ないですよ……………ただ、それは、本当です……

だから離して下さい…大丈夫です………もう帰りますから……………」

彼女はそう抵抗しなかった。拘束具が彼女の身体にくいこもうとも……ただじっと男を見る。

すると、男は愛白への拘束をといた。
彼女の腕やら身体にある痣に気づいたから………

「……………虐待か？」

「……………いえ、違います……うちは至って普通ですよ…………」

「じゃあ、いじめか？…………」

「だったら？貴方には関係ない…………

とりあえず帰ります。」

「なんで………、痛いって言わないんだ？」

彼女はその人の問いに男の方へ振り返った。

「大丈夫ですよ…………痛みなんて、もう…………感じないのですから」