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103話、ヘッドホンを君に ページ3

彼等が彼女の過去を知った次の日、
彼等の日常に差ほどの変化は起きなかった。

が、そんな中ただ1人、月島は、何時もと違う時を過していた。
きっとそれは…隣に座る彼女が原因なのだろう。
変わらぬ彼女への陰口、噂
なのにッいつも平気そうな彼女が今日は凄く辛そうに見えた。

なんつう顔してんだよ…

何時もの無表情とは違って、
辛くて悲しげな彼女の顔に月島は、
眉間にシワを寄せた。

何時もみたいに涼しげでいろよッ……

肩を震わし耳を塞ぐその姿は、より小さく見えた。

その姿に彼は少しだけ前に彼女に言った言葉を後悔する。
あの日、彼女を裏切り者の逃姫と呼んだ。
でも、その言葉が噂が彼女をどれほど苦しめているのかなんて…今なら凄くわかる。

だから、彼は昼休みを告げるチャイムが鳴る瞬間。席を立つと彼女の手を掴み
自身のヘッドホンを彼女の耳につけた。
驚き顔をあげる彼女
そんな彼女の手を引っ張り教室を出る。
それは…誰も予想していないし、柄でもない事

「あんた…耳いいんでショ?ここなら、誰も来ないし、大丈夫だから…」

目を逸らし、チラリと彼は、彼女を見るが
彼女は、顔を歪め彼に言った。

「ッ翔ちゃんから聞いたんですか?」

「うん……皆もう君の事知ってるよ」

「ッ……聞いたから……優しくしてるんですかッ」


「ッ私と関わったら、貴方まで何か言われてしまうッ」

何処か怒りを帯びたその言葉に月島は、目を見開いた。

違う……別に君の過去を知ったからじゃない。

青城のマネージャーをしている君の姿を見てから、僕は、更に君の事でいっぱいだった。
僕達には、あんな笑顔振りまかないし、
常に無表情か、悲しげな顔しか見たことなくて、なのに、そんな君があちらでは楽しげに笑ってた。

その瞬間、何か凄くイライラしたんだけど、きっとこんな事君には言えないね。

…でも、これくらいなら言える。

月島は、そう考えを巡らせ、ながらそっと彼女の耳に触れる。

「違うよ…君が、通常運転じゃないと、僕も何か調子狂うんだよッ……隣の席だし…だからッ…」


調子が狂う。そう彼が言われ、彼女は、
ポロポロと涙を零した。

「ちょッ…どうしたの?」

動揺する彼に彼女は、子供みたいなあどけない笑顔を向けこう言った。
「月島君は優しいねッまた、話しかけてくれたッ嬉しかったッ」

その言葉に月島の顔が赤くなったのは、言うまでもない。

「ッほら泣き止んだなら行くよ…そのくしゃくしゃな顔自分で何とかシテヨネ」

104話、山口君と逃姫→←102話、彼女の涙に



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設定タグ:ハイキュー!! , 月島蛍 , 烏野高校   
作品ジャンル:アニメ
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優琴(ユキ)(プロフ) - いじめの主犯の名前と自分が設定してる名前が一緒で爆笑してしまいました(すいません)この作品めちゃくちゃ好きです! (2021年11月27日 14時) (レス) @page2 id: 2ddfb5e61c (このIDを非表示/違反報告)
成類 - 初コメ失礼します。音駒の副主将は海さんですよ。 (2021年8月25日 8時) (レス) id: 9f128687fb (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 面白いです!早く続きがみたいです!更新楽しみに待ってます! (2020年9月27日 18時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
美貴(プロフ) - 早く続きが読みたくなりました。応援してます。頑張って下さい。 (2020年9月12日 17時) (レス) id: 7509443258 (このIDを非表示/違反報告)
KAT(プロフ) - 花束を抱えてさん» コメントありがとうございます!頑張ります (2020年8月11日 15時) (レス) id: d8bd84f5ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:KAT | 作成日時:2020年4月12日 13時

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