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夢主side
帰り…下駄箱に向かっていたところ…
いつき｢A…｣
｢…小野寺くん
どうしたの？｣
いつき｢一緒に行きたいところがあってさ｣
数分後…
｢ねぇどこ行くの？｣
いつき｢ごめん時間ないから急ご｣
｢えぇ…うん
そんなに急いだら転ぶよ？｣
いつき｢ちょっと前に筋トレしたからね｣
｢ふ〜ん
わっ！｣
私が転けちゃった…
いつき｢A！？
大丈夫？｣
｢全然！
気にしないでいこ！
急いでるんでしょ？
こんなん大丈夫だから…っ…！｣
いつき｢全然大丈夫じゃないじゃん
テーピングとか持ってないかな…｣
｢ごめんね急いでたのに
でも…どうしても行きたいところがあるんでしょ？｣
いつき｢ごめんねA
もう…いいんだ｣
｢えっ？｣
いつき｢ほんとはさ…一緒に夕日見ようと思ってた｣
｢夕日？｣
いつき｢初めて会った日に一緒に見たんだ
綺麗だったな
それをみたら記憶が戻るかなって｣
｢そう…だったんだ…｣
いつき｢でも…もう大丈夫！
Aの記憶が戻らなくていい…｣
｢小野寺くん…嘘ついてるでしょ？｣
いつき｢えっ？
あぁ…バレちゃった？｣
｢わかんないけど…今絶対無理してるよね？
すごく寂しそう
ほんとに言いたいことがあるなら…ちゃんと話してほしい｣
いつき｢AはやっぱりAだね
ねぇA…俺は今から最初で最後のわがままを言います｣
｢えっ？｣
いつき｢やっぱり…記憶…思い出してほしい！｣
｢やっぱり…前の私じゃないと…ダメってこと…？｣
いつき｢ううん…違うよ
前のAに戻ってほしいとかそういうんじゃなくてさ…
どっちのAにもいてほしいんだ｣
｢えっ？｣
いつき｢どっちも好きなんだ！
俺は…Aのことが…Aの全部が大好きだから…愛してるからさ！
どっちにもいなくなって欲しくない！
これは…俺のわがままだから…
Aは嫌かもしれないけど…それでも思い出してほしい！
俺のために…思い出してほしいんだ！｣
｢うっ…頭痛い…
でも…じゃあ諦めるのはやめる
小野寺くんのためなら…私もそうしたいから｣
いつき｢うん…ありがと
じゃあ…俺がおぶってくか､お兄さん呼ぶか…どっちがいい？｣
｢…小野寺くんでお願いします｣
いつき｢うん
了解｣
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作者名：あやっち | 作成日時：2023年10月3日 10時
