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林太郎side
うみが好きだ｡
と言っても別に俺はサーファーとかじゃ…ない｡
俺が好きなのは…あっちの“海”じゃなくて､こっちの“うみ”
俺は学校の屋上で…うみを見ていた
うみ｢たろー！｣
大きく腕をふってくれているその姿は本当にかわいい｡
俺も小さくふりかえす｡
俺は神崎うみのことが…ずっとずっと…好きだった｡
1回目の告白は幼稚園の頃だった｡
林太郎『うみちゃん…好き！』
うみ『うみはね〜カブトムシが好き！
おにょにょにょにょ…』
カブトムシに負けた…
2回目は小学生の時｡
うみ『すし？』
『じゃなくて…好き』
うみ『あ〜！
好きなお寿司はコハダ！』
3回目は中学校｡
冬の日だった｡
うみ『えっ…スキー？おっ…いいね！
行こう行こう！
うみをスキーに連れてって！』
『いや…ちょっと…えっ…』
そして高校2年生の今日…人生で4度目の告白をしようとしている｡
｢あのさ…｣
うみ｢ん？｣
｢俺…俺…｣
うみ｢えっ？｣
なんでこういう時に言えないんだ俺は…！
｢俺…うみのことが好きなんだ｣
いえた…！
困らせちゃったかな…
うみ｢…知ってるよ？｣
｢えっ？知って…えっ…｣
うみ｢知ってたよ〜何を今更
私もたろーのことだ〜い好きだよ…ふふっ…｣
無邪気な笑顔でそういう彼女は…とてもかわいい｡
でもこれ…わかってないパターンだ…
｢違うようみ！｣
俺は少し先に行っていたうみに走って追いつく｡
｢そういう“好き”じゃなくて俺が言いたいのは…｣
うみ｢違くないよ｣
｢ちゃんと聞いて？｣
俺は緊張しながらも言う｡
｢俺が言いたいのは…“付き合ってほしい”の意味で…｣
うみ｢うん…お付き合いしよう！
楽しそう！｣
｢えっ…いいの？｣
うみ｢恋人になるならたろーしかいないよ｣
俺はその瞬間…涙を流してしまった｡
うみ｢えっ！え〜！？
たろー泣いてる！
どうしたの？｣
｢ごめんつい…｣
うみ｢も〜たろーは昔っから泣き虫だね〜
はい｣
｢ありがとう｣
そう言って差し出してくれたハンカチを受け取り…メガネをはずしたその瞬間…見えてしまった｡
うみ｢ははっ…！｣
うみの体に､100と書かれてしまっているのだ｡
いやだ…
うみ｢ん？どうしたの？たろー？｣
｢いや…なんでもない｣
うみ｢そっか
お付き合い！｣
そう言ったらうみは楽しそうに飛び跳ねている｡
4回の告白を経て､ようやく恋人になってくれた俺の幼馴染は…
あと100日で…死ぬらしい
うみ｢たろー？｣
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作者名：あやっち | 作成日時：2023年10月3日 10時
