｢あっ｣という間に君が好き (ページ10)

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｢お疲れ様でーす。｣

社員が増えた事務所は電話を取っている者、PCをカタカタしている者、バタバタしている者。
それぞれだ。

｢Aさーん！！！経費なんですけどなんか変でー｣
｢誰か領収書出し忘れてる人とか居ないですか？｣
｢あ、ごめん俺出してないわ！｣
｢それかな。合わなかったらまた教えてください｣

私が受ける仕事の選別。
何でもかんでもやった方がいいと思うだろうか。

否、そうじゃない。選んだ方がいい理由はある。

『キャラクター性を印象づける』ために。

｢スタジオ使いますね～YouTube撮ってきます。｣

事務所にアコギを置いてあるので、弾き語り動画を撮ったり、インライしたり。
雑談収録は苦手だ、カメラに向かってただ話すのは得意じゃない。

｢……ん？｣

ジェ『Aちゃんって酒飲める？』

ジェシーさんからの通知だ。

SixTONESさんの何人かと私でご飯に行かないかと、そういうことらしい。

キッツ、いやきっついなあ。

スキャンダルは困るよ～私がたぶらかしたとかなったら困る～！！

｢……ふぅ。｣

アニソンの弾き語り動画撮って。後で編集。

『飲めます。お誘いありがとうございます。詳細につきましてはまたご連絡くださいますと助かります。』

これでいいかぁ……？？