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追加された連絡先を見てため息が出る。
アカウント消すか？いや、得策じゃない。
明日はドラマのオーディションだ。
多分形ばかりのもので出演は固い。
私をヒロインにするためのオーディション。
色んな人に受けさせて倍率何倍を勝ち抜いた私、を演出する。
軽音部の設定のドラマ。
最近のギターで私が話題になったからなんだろうけど。
ただギターが弾けて、歌が歌えて演技ができるだけの人間ならごまんといる。
顔だけ可愛い人も沢山いるかも。
でも人を惹きつけるのはカリスマだけだから。
｢……わたしは、稼がないといけないんだ｣
シャワーを済ませて明日のオーディションで披露するギターソロを考えて弾いてみて、納得する。
毎日触らないと、私は努力をしないと誰にも追いつけない。
天才は、遠い。
｢スターライツから来ました、AAです。｣
特技披露でエレキギター。アンプ5キロももってきた私を誰か褒めて欲しい。
ギターソロだけ弾いてみたら続けるように促される、そのまま弾き語りしてみたら若干後ろの子たちが固まるのを感じた。
そう、それでいい。この仕事は私のものだもの。
｢ありがとうございました。｣
｢武山さん、荷物置きに一回家に戻ってから事務所に行きます。｣
武山｢あ、分かりました！じゃあ事務所で合流しましょう。お昼休憩そのまま取ってください！｣
今日はオーディションだけで飛ぶ鳥を落とす勢いと言われているものの、まだまだ仕事は少ない。
スターライツも新人女優や俳優をオーディションしているものの私以外に所属者はいない。
私が事務所の看板だ。
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作者名：冬村
| 作成日時：2022年12月27日 7時
