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｢睡眠薬……？｣
盛られたってことか……。
私の体から検出されたらしい。
大した量じゃないらしいけど。
……最後に飲んだの紅茶だからうえみさんしか犯人いないけどね。
｢なんで？そこまで嫌われることしたっけ？｣
……とりあえず念の為薬完全に抜けてから帰りましょうねって。
台本でも読むか。
み｢失礼します。｣
｢……うえみさん。｣
み｢……主演ってやらかしたら降板じゃないの？アンタ失脚させればあたしが主演にのし上がれると思ったのになー。睡眠薬、あたしが盛ったってさすがにもうわかってるでしょ？｣
｢……まあ。｣
み｢怒らないんだ？聖人ぶってんの？……まあいいけど。｣
｢……主演になりたかったんですか？｣
み｢そりゃそうでしょ。脇役なんかやってたって仕方ないし。アンタが降板すりゃ回ってくると思ったんだけどな。｣
いつもの間延びした話し方よりこっちの方がずっといいな。
｢なるほど。のし上がろうとする気概は確かにある。｣
み｢は？｣
｢着実に上手くやってった方がいいですよ。こういうことやらかすと、一瞬で積み上げたものがパァになりますから。｣
み｢あんた私の事責めないの？｣
……責める、か。まあ責めてもいいけど嘘つかなかったし。
素直に認められると怒る気力もないというか。
｢……別に、責めないですよ、生きてるし。私はそんなことで仕事は無くならない。｣
京本｢じゃあ俺が怒るよ。｣
森本｢俺も……つか怒ってるけど。｣
2人が入ってくるとうえみさんは私になにか言いかけて、すっと走ってどこかへ行ってしまった。
・
ムカつく。余裕ぶってて。
いつでも人気者で。私は誰かを貶めないと上へなんていけないのに。
あの子は……着々と進んでて、誰からも愛されてて。
きっと枕でもしてるんだろうって。
……でも、だけど。
怪我もさせようとしたのに責めないところが本当に嫌い。
そういうところが、あの子は……
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作者名：冬村
| 作成日時：2022年12月27日 7時
