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｢はいカット！休憩入ろうか！｣
今日も今日とて撮影です。
仕事自体は楽しいけどうえみさんとは全く信頼関係築けない。
オフショの距離感バレてるから｢Aちゃんもしかして人見知りだったりするのかな？｣なんて憶測が飛び交ってます。
｢Aちゃん危ないっ！｣
｢えっ？｣
セットが私に向かって倒れてくる。
こういう時、スローモーションに見えるってホントなんだ……
とか呆然としてたら私の体がグイッと引き寄せられた。
バタァン！と音を立てて倒れる大道具さんが作ったセット。
森本｢あっぶねー、セーフ！大丈夫？｣
｢……はい、だいじょうぶ……｣
びっくりしすぎて咄嗟にお礼もいえずスタッフさん達もわちゃわちゃ。
ス｢大丈夫！？おかしいな、固定してたんだけど……怪我ない？2人とも｣
森本｢俺は平気です！Aちゃんは……驚き過ぎてますね｣
｢……あ、大丈夫です！森本さん助けてくれてありがとうございます。｣
ス1｢固定も外れてます！誰か外しましたー？！｣
ス2｢外さねえだろ普通！｣
犯人探しが始まってしまうけど別に怪我はしてないし落ち着いて欲しい。
ギスギスとした現場はよろしくない。
｢まあまあ……、私は無事なので気にしないでください！｣
京本｢……あいつ、やったな｣
セットにやたらと近づくうえみさんを俺は見てた。
スタッフさんたちは｢どんな風になってるのか見たくてぇ｣と言う彼女を邪険にすることも出来ないだろうし。
俺も咄嗟に走ったけど慎太郎が走ってったのを見た瞬間、慎太郎の方がいいと思ったから走るのをやめた。
俺じゃ間に合わないかもだし。
京本｢2人とも平気？｣
｢はい、大丈夫です、ちょっとビックリしちゃいましたけど｣
森本｢とりあえず怪我なくて良かったわ〜｣
み｢Aさん！大丈夫ですかぁ？｣
｢ありがとうございます、大丈夫ですよ〜｣
み｢そうだ！これ！さっきマネージャーさんに買ってきて貰ったんです、紅茶ですー。コーヒー苦手なんですねぇ。｣
｢……あ、ありがとうございます、後でお礼言わなきゃ｣
白々しいヤツ。嫌いだわ。
やたらくっついて来て鬱陶しいし。
｢あっ、まだ温かいですね。｣
み｢そうです、あたたかいうちに飲んでー。｣
ごく、と彼女は1口飲むとそのまま飲み干してしまう。
み｢喉乾いてたんですね｣
｢さっきびっくりしたからかなぁ、落ち着きますね｣
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作者名：冬村
| 作成日時：2022年12月27日 7時
