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｢よろしくお願いします〜｣
クランクイン、顔合わせと本読み。
うえみさんは私が何か指導的なこと言うと舌打ちしてくるし。
｢……前途多難だなぁ。｣
森本｢……Aちゃん、大丈夫？｣
｢あ、森本さん。｣
｢何がですか？｣と返すと｢あの新しい子に手焼いてるんでしょ？｣と。
松村さんから何か聞いたのか。
いやでもまたこうやって話してると色目がどうの言ってくるわけでめんどくさいのよね。
仲良いんだから仕方ないじゃん
｢ええ、大丈夫ですよ。｣
京本｢Aちゃん、元気だった？会えて嬉しい。｣
｢は、はい……元気です、私も会えて嬉しい？です。｣
京本｢ほんと？嬉しい。｣
京本さんは私を、好き……なんだよね。
色目使ってないもん。
……そもそも色目ってなによ、馬鹿らしい。気にしないでおこ。
｢うちの新人のうえみみなさんです。｣
み｢よろしくお願いしまぁす。｣
なるべく間延びしないようきって言ってるけどこれは直らなかった。
しらない！
｢……病気系か｣
父は交通事故で他界。母は病気がちだったがショックで悪化。
母をイメージモデルにしたくはないが役のためだ
｢先生、私が生きる理由ってなんだと思いますか？｣
京本さんはたまたま再会したお兄さん的存在の担当医、森本さん、うえみさんは看護師。
別に生きる理由もないのに闘病生活を送る私とそんな私を生かそうと奮闘する人たち、みたいな。
……まあよくある医療物ラブストーリーかも。
うえみさんは役名はちゃんとあるけどシーン自体は少ないからそんなに撮影被らないかな。
｢……考え事は増やしたくないなぁ。｣
京本さんのこともそれなりに考えないといけない。
でも彼は私に言うのだ。｢答えを急がないで、ちゃんと俺を知って。｣って。
ちゃんと京本さんも私に真剣なんだよね。
ならそれに答えたい。
｢……わかんないよ、何も。｣
ぼそり、呟いた言葉は空へと消えていった。
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作者名：冬村
| 作成日時：2022年12月27日 7時
