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田中｢来てくれてありがと｣
｢いえ、リリック……でも私ラップは詳しくないですよ｣
リリックを考えるのを手伝って欲しい。
女の子側の意見が欲しい。と伝えてご飯に呼んだ。
そんなの口実なんだけどさ。
｢でも私恋愛したことないからわかんないですよ。｣
田中｢え、マジで？｣
｢うん、恋とか愛とか……少女漫画とか呼んで普通にときめくし、恋愛映画見ていいなぁって思うけど自分がってのは今のところないですねぇ。｣
じゃあ、彼氏出来たことも……ないのか。
｢お付き合いの経験もないですよー。｣
田中｢今声出てた？｣
｢出てました。おじさんですね｣
田中｢うっせー。｣
礼儀正しいのに取っ付き難いわけじゃない。
この子は本当に人をたらしこむのが上手い
田中｢まってそれアルコール……！｣
俺のシャンディガフを自分の頼んだジンジャエールと見間違えて飲みきる彼女。
｢……飲みやすい｣
田中｢うん、まあ口つけてないしいいけど……｣
この店ドリンクは全部グラス同じなんだよな。
マドラー邪魔だから抜いてきてって言っちゃったし。
｢でもここのところは──────｣
俺のトイレ行ってる間にコーヒー牛乳みたいなやつあんだけどこれカルーアじゃねーよな？
この子は自分が酒をあまり飲めないということを理解してる？
マジでそのうち変な男に襲われる────────
ぐらり、彼女の体が傾いた。
田中｢……寝た。｣
どうすっかなあ、連れて帰る訳にも行かないし。
家知ってるけど。
田中｢とりあえずタクシー呼ぶか｣
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作者名：冬村
| 作成日時：2022年12月27日 7時
